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つらつらと

ガッテム (14/18)

榊に招かれ…というよりは無理矢理連れてこられた榊の家のリビングでコナンは本を読んでいた。
呼んだはずの当人は家に入ってすこし時間が経ったころから眠りにつき、コナンを放置している。
勝手知ったる家の中、工藤邸にある書斎とまではいかないが、数ある部屋の中、本が置いたままになっている部屋へと入り適当な本を見繕ってソファで堂々と読んでいた。

「相変わらずよく分かんねー本ばっか集めてんだからよー…ったく、そろそろ起きろよな」
文句を言いつつもコナンが榊を起こさないのは昨日の夜は用事があったせいでまともに寝れなかったと言っていたのに加え、榊の家に置いてある蔵書が工藤邸にはない奇妙な本ばかりで読んでいて退屈しないからだった。

「河童の秘密、ミドリムシを夢見た男、男にモテる秘訣100選…なんでんなもん持ってんだここの家…」
何度来ても新たな本が見付かる榊の家は、新一からして若干不思議な家でもあった…が、


「ガッテム!!!」

突然飛び起きた榊にそれまで感じてた不思議な感覚など吹き飛び、驚き目を見開いたまま榊に声をかけた

「榊…大丈夫か?」

「………めっちゃ…めっちゃ変な夢見た!」

思いの外嬉々として話し出そうとする榊を見て、コナンは「あ、これろくな話じゃない」と察したがそんなコナンの内心とは裏腹に榊は一方的に話をし始める


「新一とコナンが二重合唱する夢見た!!お前ほんっとに歌下手だな!?」
「ふざけんな」
「いやん新ちゃん怖い」
「…もう一回寝るか?」

榊の口から放り投げられた想像していたよりもアホで苛つく答えに、コナンはちらりと時計型麻酔銃を向けたが嫌に笑いながら首を横に振る姿にそれをしまい

持っていた文庫本を榊の頭へと振り下ろした

「ガッテム!!!!」