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▼嘘を楽しめ

「なあ、大将。俺はお前に今日中に書類を終わらせろって言ったよな。性能の悪いあんたでも半日程度で出来る程度まで、態々、俺が、調整してやった書類をやれと、言ったよな?」

「はい」


「その鳥頭でも理解出来たはずだよな、俺の言葉は。」

「…はい」


「なら、何でこんなに残ってんだ?」


「…」


俺と目線を合わないように斜め上の方を見ているこの使えねえ大将にも分かりやすいようにいってんだがなぁ?
何で黙ってんだよこいつ。

「答えろ」

無言は許さん。こいつに黙秘権なんてもんは要らねえだろ。
嗚呼、苛つく。さっさと答えろっつってんだろうが。

「ユウ…随分と不機嫌じゃないの」
「無駄なことは言わなくていい。質問に答えろ」

誤魔化そうとしてんじゃねえよ。部下の海兵たちいわく、言外に攻められているようで泣きたくなるらしい笑顔をつくる。

「なあ、大将。俺はな?この書類さえあんたがやってくれれば明日位は休めそうだったから、今日中に終わらせて、久しぶりに大将と飲みに行ければいいと思ってたんだよ。」

ほら、こう言えば大将は動かずにはいられない。散々セクハラしても暴言ばっかの俺からのお誘いだもんなあ?

冷や汗をかきながら動こうとしている大将に巻き付けて縛っていた縄をほどきながら大将にも見えるように机の上を指差す。

「やるよな?クザン大将?」

「分かった!分かったから!」



机に向かい始めた大将を確認して部屋を出る。センゴク元帥がお呼びらしい。
ついでに提出しようと思っていた書類を持たせて待機させてた海兵がおそるおそるといった様子で声をかけてきた。

「ユウさん今日大将と飲みに行くんすか?」

確認するように此方の様子を伺いながらの若い海兵を嘲笑する。

若い…いや、青いねぇ

「行くわけないな。俺まだ仕事あるし。」

「え、でもさっき…」

この海兵は俺的には使いやすくていいんだが少し単純すぎる。


嘘を楽しめ
物は言い様、嘘は方便ってね。

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