×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
▼聞いてください

家に帰ろうとしている途中で携帯を机の中に置いてきたことに気が付いて戻ってきた教室には、まだ女子たちがいた。

「で?ミソラは好きな人いないの?」

教室に入ろうとしてきた所で聞こえたミソラの名前に思わず物陰に隠れた…って俺何やってんだよ。
ミソラというのは学年が上がってクラスが同じになったクラスメート。だけど俺は高1のときから知っていた。

特にきっかけが有ったわけじゃない。気が付いたら目で追っていて。高2になってクラスが同じって知ったときはマジで嬉しかった。喜び過ぎて青子に変な目で見られたけど。

クラスメートになってからさりげなくアピールしてみたけど全然変化は無かった。この間の席替えで念願の隣の席をゲットしてから少しずつ会話することが増えて、愛想笑いから段々と笑顔見せてくれるようになって。その笑顔見るたびに胸が高鳴って。

そんな奴の好きな奴って!!ミソラたちから俺が見えない場所から悪いと思いながらも聞き耳を立てた。

「…い、いるよ。」
小さく聞き取れるかギリギリの声でミソラが発したのはそんな声で、胸が締め付けられた。

好きな奴、いるのかよ。


自分が言ってしまったことに恥ずかしくなったのか俺がいる方とは反対の扉から飛び出して走って行ったミソラの背中を思わず追いかけた。追いかけた所で何する気なんだよ、俺は。それでもじっとしてはいられなかった。


赤くなっていた顔が普段と同じ顔色に戻って出てきたミソラに声をかけたのは咄嗟で、何て言えば良いのかは分からなかった。
何だよ、好きな奴って。何、俺振られるの確定か?いや、でももしかしたら俺って可能性も…って、あんのかよそんな事。
あー…いや、うん。聞こう。いっそのこと。

「ミソラちゃんって、好きな奴いんのか?」
「え、…あ、も、もしかして聞いてたの!?」
やべ、バレた。思わず顔を反らした後少し頷く。いつものポーカーフェイスどこいったんだよ。何にも機能してねえじゃねえか。
ミソラの体が固まるのを感じた。そんなに焦ることかよ。

「なあ、誰だよ?好きな奴。」

俺がそう言った途端、ミソラの顔が赤くなるのが分かった。
…って、え?何でそんな、

少したった後、少し震えた様な声で
「秘密。」
ミソラはそう言ったんだけど、


なあ、誰か、聞いてくれ。
彼女の真っ赤な顔は期待してもいいですか?

back