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俺?…最強(笑)

目を開けたら俺は、超絶イケメンな中二病男子になっていた。こりゃ某「体は大人!頭脳は子供!」…違う、「体は子供!頭脳は大人!その名は…」の名探偵も驚くだろ!


と、言ってみた所で、俺の視界は今狭い。何故かと言うと紋章?みたいなのが浮かんでいる左目を隠すために眼帯をしているためである。最初は慣れずに色んな所にぶつかってそれを誤魔化すために「くっ…古傷が…っ!」みたいなことを言ってたらいつの間にかこの町では訳あり青年的ポジションに収まってた解せぬ。今では眼帯に慣れたから普通に動く分には支障がないんだが、こういうときはどうにも片目だけだと動きにくいから眼帯を取ることになる。

…どういう時かというと、

「俺達が誰か分かってんのかあ"ぁ?」

「先にケチつけてきたのはそっちだろうがっ!!」

目の前で海賊同士の喧嘩が始まりそうな時である。どうやらこの島はわりと海賊が立ち寄る島らしく、こういう喧嘩は度々目にするのだが、流石に近くにいた島民も何人かケガしてるし?この島の人たちにはお世話になっているし?気分的にはその人たち怪我させたやつ前出ろ前だって感じだわー。

左目の眼帯を掴みながら目の前の集団に近寄る

「今宵の月はどこか怒りにみちている…そう、俺のようにな」

眼帯を勢いよく引っ張れば、俺を見たやつらの目には左目の紋章も目に写る。決まったドヤア
…格好つけて勢いよくやったから髪の毛抜けて痛いよ!俺単なる馬鹿やん。

あ、ちょ、待て。そんなにポカーンとした顔で俺のこと見ないで恥ずかしくなるじゃん止めてよ
恥ずかしさを誤魔化すように髪をかきあげ、空いた手で腰の剣を抜き構える。見せつけるようにゆっくりと口角を上げて笑いながら口を開けば

「俺の圧倒的力の前にひれ伏せ。…そして己の無力を知ることだな」

よくいる中ボス的な中二キャラの出来上がりドヤア
うん。楽しい。この体の持ち主スッゲーイケメンだからより楽しい。


キレて襲いかかってきた相手の攻撃をかわしながら、次はどんな台詞を言うか考える。この体は何故だか戦闘慣れしているらしく、勝手に敵を倒していくから頭で他のことを考えている余裕があるのだ。なんという楽ゲー。

と、気が付いたら襲いかかってきた奴らは倒し終えて山積みになっていた。…いつの間にか、無意識でこれってスゴくね?

使った剣は血に濡れて無いから恐らく全員峰打ちなんだろう、多分。剣を鞘に納め、空を見上げたら夜空に星が輝いていた…あ、いい台詞思い付いた

「いつも思うんだ…少し、あともう少しだけ手を伸ばしたら、夜空に輝くあの星に手が届くんじゃないか?ってさ」

格好つけて呟いたその言葉を誰かに聞かれる前に立ち去ろうと、体を翻し街の方へと歩きだそうとしたところで気が付いた。前方に誰かいる…だと!?
なんてこった!聞かれてたぜ!しかも今気が付いたけど眼帯まだ着けてない!忘れてた!!これだと目の前の人にも左目が見える。
俺が狼狽えている間に月明かりの下でも目の前の奴が顔が見える程度に近付いて来ていた。

思わず漏れたため息。そして

「お前…誰だよい」

よい。よいよーい。俺は元高校生な現イケメンだよーい。そしてなんでこんなところにマルコがいるんだよーい。よーいよい。

頭の中でよいのゲシュタルト崩壊が起きているが、ひとまず。
俺が誰かと聞かれるならば

「俺は…俺だ」

こう答えるしかないだろう?


俺?…最強(笑)
実は俺が倒した野郎どもの片割れが白ひげ海賊団だって知ったのはその後の話。その時にはもう白ひげ海賊団の船に乗せられ、港から出港した後だった


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