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明日を上書きしてほしい

「神は7日間で世界を創造したらしいですよ。」

「へえ」

「ねえ、ドフィ。もし、貴方がこの世界を創るとしたら…どれぐらいかかりますかね」

「…」

何時もの様に廃れたバーに来たドフラミンゴを迎えたのは何時もの様に笑顔を浮かべる名前だった。他の客は一人も居ない。燭台が淡い炎を包んで燃える空間の中、独りごちる様に呟く。
ドフラミンゴが何も言わないのを気にもせず、だだ淡々と言葉を紡ぐ

「…ああ、そうか。すみません間違えました」

ドフラミンゴを出迎えた時から拭いていたグラスを置き、バーの奥からおもむろに氷を取り出し言葉を続けた

「貴方は…壊す側でしたね」


形が整えられ長方形に輝くその氷に向けて勢いよく突き刺したアイスピック。
それまで美しくも輝いていたその水晶体は、見るも無惨に砕け散った


「フッフッフ…どうした?名前…今日は随分と荒れてるなじゃねーか」

「荒れている?随分と検討違いなことを…寧ろ最高に気分がいいですよ。…さあ、どうぞ。」


カウンターの前を陣取ったドフラミンゴの前に差し出されたのは名前が喋りながらも砕いていた氷を使って作られたカクテル。普段は出されないカクテルに、ドフラミンゴの口許がまた上がる。


「どういうつもりだ?」

「…XYZ。究極のカクテル…全て、終わりです。」

「…甘ぇな」

グラスに入った僅かな量はドフラミンゴを満たすには余りにも少ない。一度目を伏せた名前は、唇で弧を描き、酷く愉しげに目を細めてドフラミンゴを見やる

「この間の話、お受けしましょう。…ドフィ、貴方の最後まで共にさせて欲しい。」

「フッフッフ…ああ、勿論。退屈はさせねえよ」

その一言と共に、前にいた名前の胸元をにぎり、引き寄せた。バランスを崩し、カウンターに前のりに手を着いた名前の口をドフラのそれと勢いのままに合わせた。

「…急になんですか」

「散々待ってやったんだ…これでも足りないくらいだぜ」


明日を上書きしてほしい
「人と一緒にいる時が、最も孤独な時だ。昔そう言った人も居るそうですけどね」
「そんなもん一緒になってみねえとわからねえな」
「…それもそうですね」
「フッフッフ」


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