「ニャー」
「おやおや」
なん…だって…!?
大学は休みでバイトのシフトも入らず、特にやることは無かったけどなんとなく外に出掛ける気分だったからふらっと外出して最近見つけた猫ポイント…もとい、猫が集まるとある公園のベンチを目指して来たけれど、そのベンチには先客がいた。
その先客こそ、私の身に襲った衝撃の正体なのだが…。
「そんなに焦らなくてもまだ残っているよ」
何 故 工 藤 優 作 が こ こ に い る
ちょっと待て、何で!?ニュースとかに度々毛利小五郎が出てきてるしコナン君も新聞で見たときあるから原作始まってるでしょ!?優作さんって海外にいるんじゃないんですかね??なんでこんな公園にいらっしゃるんですか優作さん…
「さて、そこのお嬢さん。そんな所で見ていないで此方に来ないかい?」
気付かれていたよ!!!なんでだよ!!!猫にエサやって餌付けしてたから気付いてないと思ってたのに気付かれていたよ!!!
「…餌付け中ですか」
「ハハハ、そう見えるかい?」
そうとしか見えないのだが!!それにこの猫缶あれだよ、1個で千円とかする高いやつだよ流石だね!!世界的小説家!!
「お嬢さんお名前は?」
「名字名前です…おじさ…えーっと、貴方は?」
「工藤優作という者だ。こんなところで猫好きな若いお嬢さんと出会えたのも何かの縁かも知れないな、こっちに座りなさい。」
答えなくても良かったかも知れないが、思わず名前を名乗ったら、優作さんの座ってるベンチの隣を叩かれた…。座れ…だと!?
「あ!いや、あの今日は猫の様子見に来ただけなので帰ります!」
思わずくるりと背を向け、立ち去ろうとした…ら、
「ああ、待て待て。これをあげよう」
優作さんから何か頂きました。
「え、あ、ありがとうございます?」
ペコリとお辞儀をしながら内心首をかしげる。どうすればいいのか分からなくなり、咄嗟に走り去ってしまったが、礼儀的にどうなのだろうか…。
貰ったものを確かめようと握りしめた手のひらを開くと、そこから覗いたのは英語で書かれたパッケージの小さなお菓子。ひとまず開けてみると出てきたのはチョコレート。
そのまま口に運び、少し舌で溶かして感じた甘さに顔が綻んだ。
「美味しい…」
美味しく餌付けされました
「名前くん、こんにちは」
「!…優作さん!前にくれたチョコレート美味しかったです」
「それは良かった…おや、今日は座るんだね」
「時間があるので!(また何かくれないかな…)」
▼ ◎