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※コードネームを使います。


腹部に感じた違和感に目を開けた。

「あ、起きた。」
「…」
「聞こえてる?今の気分は?」
「…取り合えず、この向けられている銃を下ろしてから言うことじゃないか?」
「うわお、冷静だね。」
初めまして、ライ。


寝ていた赤井の腹部に馬乗りになる形で跨がり赤井に向けて銃口を向けている知らない人間。小柄…と言うよりは幼い、と表現した方が合っている少年が楽しそうに笑っていた。


「誰だこいつ…どうやってこの部屋に入った…的な顔してるね?さっきも言ったけど初めましてライ。僕はアクアビットだよ。新しい幹部が入ったって聞いたから見に来たんだけど…、

随分とらしくない、ね!」

こんなところに、あんたみたいなのがいるとはね。



眩しいものを見るように目を細めながら、悪巧みを考えたかのようにニヤリと笑ったその顔は先に見た幼さなど欠片もなく、闇に生きる者のそれ。

「ねえ、答えなよ。何であんたみたいなのが、黒に紛れ込んでるの」

「」

最初から赤井が黒の組織へと潜入していることに気が付いているかのように話すこの少年に、話をすり替えようと開いた口は、突如としてなった音に、意味をなくす。

「なに、ジン。…はあ?僕今忙しい…、ハイハイ分かりましたー。ちゃんと後で返して貰うからね!」

軽快な音を出して鳴った携帯を取り、一方的ともとれる会話を終えた時、それまで赤井に向けていた銃をしまう。

「…ジンか。」

「そうだよ。…僕用事が出来たから帰る。

精々へまこいて死なないといいね。」


「待て」

立ち去ろうとするアクアビットと名乗った少年を思わず止めた。
赤井の方に振り返った少年はひどく愉快そうに口角を上げて口を開く。


「僕は、この組織がどうなろうとどうでもいいんだよ。捕まるにせよ、殺されるにせよ、たった1度の人生ゲームでしょ?楽しまないと損だよ。
君は盤上を掻き回すならず者だろうね、そんなの面白いじゃん。」

だから言わないし殺さない。

言葉の裏に隠された意味を受け取った。少年はもう話すことはないと言わんばかりに背を向けて部屋を出る。

「アクアビット、か。」


白を黒で塗り潰すように
FBIでその存在が要注意人物として扱われるのは先のこと。FBIに戻った赤井を見た少年は笑った。

「黒はあんたに合わないよ」

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