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敬意を表して


園子嬢の執事を勤めるに当たって思考を巡らせる羽目になったのはさておき、この世界観で嬢を安全に守り続けることの難易度Sさがどうしようもないと思うんだが…

静まり返った鈴木邸の中、園子嬢の部屋の前から一本外れた廊下で外の様子を眺めるふりをしながら手袋に包まれた自分の手を握りしめた。

現在、園子嬢は10歳小学五年生。
GPSの位置が猛スピードで移動中。
今は土曜日10:43。作品のヒロインであり嬢の幼馴染の毛利蘭と公園で遊んでいる…はずだった。
先程かかってきた連絡と移動中の嬢…

「誘拐とかありかよ糞が」


SPなにしてやがる。舌打ち一つにすべての恨みを込めて切り替える。園子嬢のことに関しては一任されている身であるから俺が動かなければ始まらない。警察だとかに連絡するのが順当だろうがまずは部屋にて準備するかと足を運ぶ。頭に描く図取りと時間
思考巡回計画遂行

「おやつまでには終わらせたいですね、さて、よろしくお願いします」

他の使用人へと説明しながら久方ぶりに感じる高揚感。嬢に手を出して無事で済むとでも思ったか?



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