カーテンを開けた瞬間
部屋に僅かな光を届けていた月明かり。照明を消していたその部屋の窓辺で一瞬で行われた幻覚…
「え!?」
園子が洩らした驚きの声に口角を上げたのは目の前に立ったままの焔だが、暗闇の中それは園子には見えない。
「3,2,1…0」
カウントダウンの終わりと共に一つの明かりが部屋に浮かんだ。焔の掌で煌々と輝く硝子の満月
「…どうぞお嬢様、満月にございます」
「すごい…すごいわね!!焔凄い綺麗!!ありがとう!!!!」
「有り難き幸せ」
園子が笑っている姿を見て焔も口角を上げ頭を下げた。
*****
「ってわけなんだけど工藤くん種わからない?」
「焔さんの多才さが怖ぇわ…てか何年前の話だよ」
「私が小4のときだから4年前ね」
「……」
新一は溜め息を付きながら園子を指差しこう告げた
「まずは現場検証だな!」
中学2年のとある日の話である
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