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真面目な君と不真面目な俺


前の世界で普通にアニメとか見てた自分から言えば正直執事と言われて一番に思い付くのは「あくまで執事ですので」ってやつな訳だが生憎自分は生身の人間である。一般よりもスペックが高いのは自覚しているがそれでも出来ないことは出来ないのである。つまりこの嬢が言ってることは無理難題な訳だ

「だーかーらー!お月様取ってきて欲しいの!焔なら出来るでしょ!?」
「…仰せのままに、お嬢様。その代わり、次のパーティーには駄々を捏ねずに出て頂きますよ」
「勿論!焔が月を持ってきたらね!!」

信頼して頂けているのは結構であるが遥か彼方に浮かぶ天体は流石に無理だ。というかそんなものを取ってこれる訳がないことは理解しているのであろう。どうにかパーティーを避けたいだけなのであるこの嬢は。
…さて、どうしたものかな



*****
月夜が浮かぶ窓辺、満月を背後に立ち笑うのは#name#。その正面で座っている園子に向かって手を差し出しまるで物語のワンフレーズのような気障な台詞を溢す
「貴女に夢の一時を」



「たった一度のマジック…ですよ、忘れないでくださいねお嬢様」

ただ一瞬、焔が月に向かって手を伸ばしたその瞬間に部屋のなかに暗闇が広がった。



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