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塵が積ったが山ほどではなかった

俺の部下たちは、優秀で、そして、上下関係がはっきりしているらしい。

…というのも、だ。船に乗ってるときとか俺が海兵の訓練を見に行ったりした時に話しかけてくるのは決まった奴等で、残った海兵はそのまま訓練続けてるんだよ。何、俺と海兵の接触を絶とうってか?
それに見ている限り暑苦しいような必死に訓練をしている姿を目にするし。そんなに体育会系のノリじゃなくてもいいと思うんだが…まあ、海賊とドンパチやることもあるから日々の訓練は大切だよな、俺もわりと必死にやってたし。


自分に部下が出来てから生まれた問題なんだが…
部下の名前が覚えられない。顔と名前が一致しない。

そもそも俺は、人の名前を覚えるのが苦手だ。ボル大将の名前も知らないし…ボルなんちゃらかんちゃら大将としか分からないからボル大将って呼んでる。本人から否定はされないから嫌な訳でもないんだろうしこれからもその呼び方だと思う。元帥にしたって、センベイだかセンダイだかセン…まあ、元帥としか呼んでいない。他の大将たちは赤犬と青雉っていうのはわかるけど名前知らないし。青雉…キューサンだっけ?間抜けな名前だな…。
接点のある最低限の人間の名前しか覚えないのである。ただ、部下となると覚えないわけには行かないから時間はかかるけどなるべく入った順に顔と名前を一致させるように心がけている。


そんななか、先日の戦闘でなかなかスリリングな経験をした。

向かい合っていた敵の剣が目の前に迫り、左側に体を反らした瞬間に、目の前の敵が狙撃されたのだ。…てか、あれ絶対俺が体反らしてなかったら俺の体貫いてたからな!?ふざけんなよびびったわ
むしろ敵が俺に攻撃してくれて良かったわ。じゃなかったら俺避けなかっただろうし。

狙撃した人物を見ようにも周りの敵が邪魔だったから、持っている刀で一閃して敵を蹴散らしてから、弾を撃った人物がいるであろう方をチラ見する。
すぐに分かったけどな!銃口こっち向いてるし!ナニコレ俺狙われた?恨みつらみが積もりに積もって狙われた!?そりゃあ、俺はだらしないけどさ、部下に命狙われるとは思って無かったわ怖い


戦闘が終わってから命令もしおえて目に入った例の部下…あ、よくみればつい最近やっと顔と名前が一致した部下だ。とりあえず何かされる前に先手を打てばいいか…

「ベル、さっきはよくやった」

というかよくやってくれたなって感じだけどね?殺す気?命狙われてる?うわあ…
いつも執務室にいる信頼してる部下たちに軽く指導して置いてもらうか…あいつら俺なんかより断然強そうに見えるし…


そんな風に捉えていた俺は、俺の知らぬ所で武勇伝が増えていたことなんかには気が付かなかった

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