「佐助のダメなところを教えてあげるね。」
「――俺様のダメなところ?」
どうしてこの状態で彼女はそんな言葉を紡ぐのだろう。
佐助には全くもって理解出来なかった。
裸で抱き合うこの空間にはおおよそ不釣り合いな気がした。
「じゃあ教えてよ。」
そっと頭を撫でれば彼女はどこか楽しそうに、そして哀しそうに笑った。
「ひとつめ。その嘘臭い笑顔。」
「酷いこと言うね。俺様、傷付いちゃったよ。」
苦笑しながら伸びて来た手に口付ける。
彼女はそのまま言葉を続けた。
「ふたつめ。その嘘吐きな口。」
今にも彼女の目からは涙が溢れそうな程に歪んでいた。
そっと近づいて来た彼女の顔が視界一杯に広がって気付けば無意識に口付けていた。
「もういいから。」
「ダメよ。最後は冷たいところ。」
押し倒して尚、彼女は言葉を紡いだ。
「佐助はいつか私を置いて先に逝くわ。そうでしょ?」
ポロポロと泣き出した彼女が酷く綺麗に見えて佐助は心の奥がチクリと痛んだ気がしたが、それに気付かない振りをした。
「そんなわけないでしょ?俺様はお前を置いてったりしないよ。」
「やっぱり佐助は嘘吐きだわ。」
どこか諦めたように笑って、そして彼女は告げた。
「だからその時は私が先に逝って待っててあげる。」
愛しい人。
貴方が私の為に嘘を紡ぐと言うのなら、その時は。
水際でお待ちしています-----------
花吐き:企画提出作品
戦国BASARA:猿飛佐助
今回もまた参加させて頂き有難うございました!
2011/12/23 天月レイナ拝
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