半強制的に同居人(inシロガネ山)となったレッド君に連れられて、現在ポケモンセンターまでやってきました。 勿論、歩きじゃなくレッド君のリザードンで。(初めての空を飛ぶは、ジェットコースター並に激しかったよ!) 山頂から飛び立ったわけなんだけど、裸足の私は始終レッド君に姫抱っこされたまま。(歩くと言ったら無言で圧力かけられた) リザードンがあの小さいボールから出てきた時は、あまりの迫力にビビってしがみついてしまった。物凄く恥ずかしかったのだけれど、微妙に笑ったっぽい顔が見れたから役得だったと思うことにする。 それで、今は生ジョーイさん(超美人!)に足を手当してもらい、トレーナーカードの手続き中。 身元不明者だし、こっちの住所とか全くわからないので、レッド君が全部書いてくれてます。(私は横から覗き込んでる) 「え・・・?」 「何?」 「十五歳・・・?」 「そのくらいじゃないの?」 今私が驚いたのは、私の年齢の記入欄。十五歳?まさか。私は社会人として働いてる二十四歳だ。 ・・・嫌な予感がする。 「・・・・・・ワォ」 「?」 ポシェットから取り出した鏡に映る私は、確かに十年近く前によく見ていた私の顔だった。 とりあえず、カードの手続きを済ませて、今は発行を待つばかり。 保護者はレッド君がなってくれた。(彼は今十七歳らしい) なので、私の住所は始まりの場所であるマサラタウンのレッド君の家。戸籍上だけど、伝説のトレーナーの家に居候な私って、色々すごいと思う。まぁ、シロガネ山で同居とかもすごいんだけどね。 むしろ、こんなに恵まれていていいのか、不安だ。 悪いことがあった後は良いことがあると言うけれど、ここまで良いこと続きだとかなり不安になる。リングマの危機はそんなに不幸なことだったのだろうか。 ちなみに、レッド君に歳のことは言わなかった。この世界をゲームで知っているという時点で混乱させただろうに、これ以上の摩訶不思議はいらないだろうと思ったのだ。若返ったくらいなら、私としても万々歳である。 十代の若者が普通に社会人として働いてる世界で、おばさん扱いはされたくない。 「・・・ねぇ、」 「ん?」 「・・・あのポケモン、何?」 私がぼんやりしている間に三匹の手持ちの回復(治療?)は終わったらしく、レッド君が指差した先で楽しそうに遊んでいる。 「何って・・・ピカチュウとクロバットとリーフィアですよ」 「・・・クロバット?リーフィア?」 「あ、」 そういえば、レッド君はチャンピオンになってすぐに山篭もりしたんだった。新種のポケモンを知らなくても当たり前である。 「クロバットはゴルバットの進化形で、トレーナーにかなり懐いて、初めて進化するんです」 「へぇ・・・」 「リーフィアは、イーブイの進化形で、シンオウ地方にある特定の場所で進化すると、草タイプになるんですよ」 「・・・シンオウ地方?」 「カントーやジョウトとは離れた地方です。他にも、ホウエン地方とかイッシュ地方とかありますね。それ以外は知りません」 「・・・・・・」 無表情と微妙な笑顔以外で、初めてレッド君が表情を変えた。多分、驚いているんだと思う。きょとん、と効果音が付きそうな顔。 なんでこの少年は、こんなに可愛いんだろうか。 山篭もりなんてやめて、アイドルにでもなればいいと思う。お姉さん(見た目は年下だけど)ファンになるよ。 「・・・レッド君、図鑑は?」 「・・・これ」 見せて貰った図鑑は、きっちり百五十一匹。ミューツーにも会ってるのかという驚きは置いておいて、初代の図鑑ならわからないだろうと思う。 でもさ、 「リングマとかに会った時、不思議じゃなかったんですか?」 「?リングマ?」 「私が戦ってたおっきいくまさん」 「・・・あぁ、」 今気付いたというような返事に、深く考えていなかったのだろうことが理解できました。 何とかと天才は、 (紙一重ってやつか) 2011.06.14 |