「なまえ、君には失望してばかりだよ。」


涙で赤くなった目をメイドに化粧で隠させながら私はなまえに言葉を吐き捨てた。

じわりとまた涙が染み出したがら溢さないようにギュッと口元に力を入れるなまえを見て私は少し楽しくなる。

英国紳士として常に女性に優しく振る舞っている私が許嫁をいじめて楽しんでると知ったら女性たちはどう思うか…。



「終わりました。」


蚊の鳴くような小さな声で私を思考の渦から連れ出したなまえは、白のドレスを着こなしとても可愛らしい。
だが、私の口は、素直に感想を述べたりせず冷たく彼女に「遅い」と言うのだ。

きっとこんな私になまえは愛想をつかしていることだろう。

こんなに好きなのに、こんなに愛しているのに、私はどうしてもなまえを傷つけ、独占してしまいたいと言う欲望に飲まれなまえを苦しませてしまう。


素直になまえを抱き締め美しいよと言えたらどんなにいいことか…。





曲がった愛情




愛しているんだ。
これは本当なんだよ…なまえ。


(君の泣き顔も…)


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bkm
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