「可愛いなぁ…」
さっきから昼寝をしてすやすやと寝息をたてる次郎を見ながら思わず呟く。
もし起きていたらとても怒るだろうな…なんせ、珍種とは言え立派な男の子。
ペンギンのぬいぐるみを大切そうに抱き締めてる姿が愛らしくても男の子なのだ。
かなりツンデレではあるが、デレの時の半端ない可愛さと何だかんだで家事を手伝う姿といい…
「妹にほしいタイプだ。」
私の欲しい妹像ピッただ。
妹に欲しいな
「俺、男なんだけど。」
「あらま、起きてらしたの?」
寝てると思って思わず呟いた一言をばっちし次郎に聞かれてしまったようだ。ちくしょう。
ビシバシと尻尾か床を不機嫌そうに叩くのを痛くなるからやめなさいと、一応声かけるも無視されてしまった。
「次郎ゴメンってば、ついつい本心がさ」
「反省してないよね」
「あーうん。可愛いと思ったの本心だし。」
素直に答えるのは、チトまずかったか。
ますます機嫌を悪くしてしまった次郎に、私は白旗をあげた。
「次郎、どうしたら機嫌治してくれる?」
「なまえがおとなしく俺の下になるなら。」
「うん。それは困るな。次郎、落ち着こうか。」
昼からなにを言っているんだこの少年は!
お姉さんは身の危険を感じとり、5歩ほど彼から遠ざかっちゃったじゃない。
「つまらない。」
私の反応に少し機嫌を良くしたらしく、彼はしっぽを揺らしながらまた昼寝の体制に戻っていった。
(冗談でもあんなこと言っちゃダメなんだから!!)