※ヒロト君かっこよくない。緑川とばっちり。
「あれ?下着足りない…」
お気に入りの黒×パステルピンクの下着が無くなってあわあわしている私の前に、赤い髪の彼が耳をピンと
たてながらやって来た。
「下着泥棒?」
その言葉に前科のあるヒロト君を見つめると、僕じゃないよ。と言われた。
「だって、盗まなくても毎日拝めるし」
「君、少し自重した方がいいと思うよ」
あきれる私の後ろに回って胸の下に両腕を通し抱きつく彼にあぁ、こいつ外身は素敵なのに中身がダメダメなんだから…と思いながらも首もとに埋められた頭を撫でてやる。
さぁ、泥棒捕まえなくては…
泥棒つかまえました
下着紛失から三日後、ヒロトが幼馴染みの緑川を引きずってやって来たから何かと思えば、無くした下着を
手渡してくれた。
「えっ、リュウジ?」
お前が犯人か?
と疑いの目でじろりと見たら、
お前の下着なんか誰が盗むか。強風にあおられ木に引っ掛かっていたのを拾って洗い直してやったんだ。
と怒られた。
「リュウジ君。マジありがとう。」
なんだ、つまらないとほざくヒロトを本気で殴ってやりたいと思った。
(にしてもなんでヒロトはリュウジの所行ったの?)
(犯人ならいいなって思ったから。)
(はぁ?)
(犯人が緑川なら、なまえは緑川のこと嫌いになるだろ?)
(まぁ…ちょっと引くかな)
(そうしたら、なまえは僕のこともっと見てくれると思ったんだ。)
(ヒロトってよくわからない。)
中身ダメダメなはずなんだけどなんか可愛くて憎めないコイツは、私の同居人。