わかりやす過ぎて思わず口角が上がる。容赦ない鋭い視線を寧ろ心地好く甘受して、私は満面の笑みを目の前の男に向けた。



























「――…おい」




ふてぶてしい態度で私に声を掛けるのはドラコ・マルフォイ。不機嫌なのを隠そうともせず、偉そうに目の前で仁王立ち。両手には花…とはとても言い難い子分たちを連れていて。返事をせずに顔を逸らしてプ、と笑った私に、ドラコは眉間に皺を寄せた。




「おい!」




肩をぐいっと掴まれる。上擦った声には苛立ちが滲んでいて、子分たちは軽く怯えている。…そんなにカリカリしてたらハゲるわよ、と心の中で忠告して、そっと彼の瞳を覗く。




「私は“おい”なんて名前じゃありませーん」




舌をべ、と出してそう言えば、憎たらしいとばかりにドラコは顔を歪ませた。




「く…##name_1##!」




苛立ちで彼の顔が色付く。本当に可愛い人ね、と私はニヤリと口角を上げた。




「私があの人と仲良くしていたのがそんなに気に入らない?」




瞬間、彼の顔は面白いほど赤くなっていった。人間って、怒りでも羞恥でも赤くなるのね、と冷静に再認識する私に、眉間に皺を寄せた彼の顔がぐっと近付く。




「…誰なんだ、あいつは」

「さぁ?」

「“さぁ?”ってお前…、あんなに親しげに話していただろう!」

「知らないわよ。私はただ嫉妬する貴方が面白かっただけだし」




ケロリとした私の言葉にドラコの動きが止まる。思わず「は?」と間抜けな声を出した彼に、私は軽く留めを刺した。




「私は貴方しか興味ないもの。他人のことなんて名前すら覚える気ないわ」




そうして首に腕を巻き付けて唇を奪ったときの、彼の顔が可愛くて仕方ない。

























よそ見なんて許さないから

貴方が私しか見えないことは勿論知ってるけど、私も貴方しか見えないのよ


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