「霧野君?」
部活後忘れ物を取りに、教室に戻ってみると机に突っ伏した学ランを着たピンクの頭が見えた。
これは、霧野君以外考えられないな。
普段2つに結ばれている髪がほどかれ肩から落ちているのを眺めながら、これは起こした方がいいのかな?と1人悩む。
起こした後に神堂君が迎えに来たりしたらなんか気まずいし、
でも今こられても何じろじろ見てた?になるし、
「んっ…」
「っ、」
なぜか顔の向きをこちらにかえた霧野君にビクリと反応する私。私別に何も悪いことしてないし、堂々としてていいはずなのにな…。
それにしても可愛らしい寝顔だな。
2つ結びにしてる時点で可愛いけど、下ろしてるのもめちゃくちゃ可愛い。
しかも、寝顔。
薄情にも私を置いて帰った友達にざまぁと思う。
「神堂君待ちかな?」
1人で霧野君が寝てるなんてチャンス二度とないよなぁ…この際目に焼き付けてしまおう。
失礼かな?と思いつつ彼の顔10センチ前に私の顔をもってきて覗き込んでみる。
わぁ、睫毛長い。
髪の毛サラサラだな…
1人美しい顔を堪能しながら私は、後もう少しこれくらいならと欲望が膨れてくるのに気づいた。
けど、別に髪の毛少し触るくらいならいいよね?うん。それだけで終わり。
と自分に言い聞かせ、そろりそろり手を伸ばし、後少しでさわれると思ったところで腕を捕まれた。誰の手かなんかすぐにわかる…だって目の前から伸びたんだもの。
「ぁ…」
「何してるの?」
立ちすくむ私の目を水色の目がまっすぐ見つめてくるものだから、動けない。逃げれない。
「ごめんなさい。」
ゴミがついてたから…とかいう嘘が通じなそうな、彼の見透かした目に、いたずらを素直に謝れば、彼は意地悪く笑った。
そして、ぐいっと私を自分の方に引っ張る。あぁ、顔は女の子より可愛くても力は男の子なんだな…。
バランスを崩し、霧野君の椅子の横に崩れるように座った私に
クスリと笑った。
「えっ?」
「ごめん…起きてたんだ。」
お前が入ってきたときからずっと。と言う彼に顔を真っ赤にしてなんで、狸寝入りなんて…と口ごもりながらも抗議する。
まぁ、私がやったことの方がどうかと思うけど。
「忘れ物しただろう?」
「うん…」
「それ見てたから、ここにいれば会えるかもしれない思って、部活後待ってたんだ…そうしたら寝ちゃってさ、でもお前が来たときは起きた。」
俺の予想当たっただろう?
満足そうに笑う彼に何て言えばいいか分からなくて、口をパクパクさせてしまう。
「でもあんなに顔覗きこまれるとは思わなかった。」
「あう…それは、ごめん。」
「謝るならさ、俺と付き合ってよ。」
少し照れながら言う彼に、YES以外の答えを言えるものか。
私は喜んで。と彼に言った。
………
企画没。途中から意味不明に…