「ねぇ、いつまで雑誌見てるわけ?」
たまの部活休みだから、蘭丸と一緒に居たくて押し掛けたのは悪かったけどさ、彼女ほったらかしで雑誌見てるのはどうかと思うよ。指摘してもあと少しだからとかまってくれない。
むっとして、蘭丸ママが持ってきてくれたクッキーをひとりモサモさ口に入れ頬っぺを膨らませたころ、蘭丸が腰かけていたベッドから降りて私の横に来た。
遅かったわね。クッキー全部私の口の中なんだから。
ちょっとずつ口から胃の方へクッキーを流し込みながらちょっと気分よくそんなことを考えた。
「ハムスターみたいで可愛い。」
そんな私の気分なんか露知らず、彼はぷすぷすと私の頬をつついて遊びはじめる。
蘭丸っ、何すんだ。と思いつつ頬っぺたに貯めたクッキーを少しずつちまちま胃に送り続けていると、その様子をニコニコしながら蘭丸が見てくる。
なにこれ…恥ずかしいからやめてよ。
いつまでも見られるのが嫌でクッキーを紅茶で胃に一気に流し込んでしまった。
「さっきから何よ。かまって欲しいときは雑誌見ちゃってさ、食べるのに一生懸命の時は人の事じっと見るし。」
そんな私の文句に悪びれた様子もなくゴメンゴメンと謝るから、ますます私の機嫌は悪くなる。
「許さないもん。」
プイッと背中を蘭丸に向けて座り直すと、困ったような苦笑が聞こえた。
なんか、むかつく。
「悪かったって…機嫌直してくれないか?」
「まだ、嫌。」
蘭丸がぎゅっぎゅって抱き締めるものだから、つい「うん」と言いかけてしまったがぐぅっと堪えた。
「だって、つまらなかったもん」
「うん」
「蘭丸にかまって欲しかったんだもん。」
「…ごめん」
さっきの"ごめん"と違う重さを感じて、蘭丸の方を向くと、
髪を撫でて綺麗に笑った。
整った可愛い顔がいつも以上に綺麗だったから、思わず見とれてポカンとしてしまった。
「どうした?」
「蘭丸に惚れ直した。」
「それはよかった…じゃあ今から出掛けようか?」
ベッドに放ってあった雑誌を器用に片手で手繰り寄せた蘭丸の横にちょこんと座って、開かれたそれを覗き込むと、赤丸で印のつけられた場所があった。
「蘭丸大好き!!」
そこは、前々から私が行きたがっていたおしゃれなカフェで、その下には手書きで近場のデートスポットが書かれていた。
…後書き……
ふぅ、なんとか書き上がった…。ども、小豆です。稲妻で初の企画参加でドキドキにございます^^;
ちょっと短めになっちゃいましたが、砂糖吐けるくらいのあまあま目指しました!が、いかがでした?
本当は蘭丸ちゃんの髪の毛弄ったり、手を繋いでラブラブデートする予定もあったのですが、小豆さんの能力ではここまでが限界ぃ…そのうち機会があったら書きたいですが!!
では、なんて素敵で可愛いの様に感謝しつつ後書き終了します。