「あーもう、最悪。」
私は、学級委員じゃないのになんでこんな大量の仕事を請け負わなくちゃならないの?
隣でダルそうにホチキス止めをしてる学級委員長を一発殴ってやりたい。
むしろ殴らせろ!!
「なんで、私がやんなきゃいけないのよ三郎」
「いつも追試のとき勉強教えてやってるんだからこれくらい手伝えよ。」
それ言われちゃおしまいだけどさ…パチパチと規則正しくホチキスの音が二人しかいない蒸し暑い教室に響き渡る。
ベストを脱いで、日焼け対策の長袖の袖をめくり上げながら私は必死に彼氏である三郎のお仕事手伝いに励んでおります。
偉くないですか?
最後の一つをパチンと止め終わって、くたーと机に伸びてみると、三郎からなんか嫌な目線を感じで首だけあげる。
「透けてんぞ。今日はピンクか」
「最低だな。」
「そりゃどうも。」
「ムカつく。」
ホチキス止めの終わった束と鞄を持った三郎の後を、暑いが仕方なくベストを着て鞄を持った私が追う。すっかり暗くなった外をちらりと見ながら、職員室に向かった。
居残り
「○○」
「なに?」
「帰りにアイスおごってやるよ」
「…三郎大好き」
「おぁっバカ、」
思わず抱きついて、プリントが三郎の腕から落ちて散らばったもんだから怒られた。
「えへ」