ねぇねぇ
「神田!!」
「なんだ。」
任務帰りの神田を見つけた私は、ラビとの会話を中断して神田に飛び付いた。
はずなんだけど、神田がすんでんのところでかわして襟首をつかまれそのまま吊るされた。
「うぜぇ」
「うわっ酷いの。鬼、女顔、作者泣かせ、黒一色大魔神!!」
「叩き斬るぞっ」
「なによ!!単行本20巻神田メインおめでとう!!&誕生日おめでとう!!こん畜生っ」
「あっ………はぁ?おぅ……」
さっき、ラビとずっとその事を話してたから(ラビは、出番不足についてだったけど。)タイミングは違うと思ったけど一気に叫んでおいた。
「ってことで受けとれ神田!!」
そんでもって本題。
隠し持っていたホールのショートケーキを素早く取り出した私は、神田の顔めがけて力一杯叩き込んだ。
「ぼふっ」
やった、成功しましたよ奥さん。美形の顔面ケーキキャッチ。
驚いて神田は私を離してくれたから、私はこれ幸いと全力疾走で神田からにげる。
そんな私を見送るラビの顔がなんだか嬉しそうなのは、たぶん神田の出番が主人公より多いのにラビの出番が数えられるほどしかないからだと思う。
「……………この、バカ女ぁぁぁぁっ」
その後、少しして我に返った神田がケーキまみれで追いかけてきたから、私は色んな人を巻き込みながら本部内を爆走した。
アレンとか、それについてきたリンクとか、神田を笑ったラビとか、室長とか、ティモシーとか、
ジェリーさんが神田のためのそばパーティの準備まで時間を稼げとの命令を後受けした私は、止まるに止まれずルベリエ長官(なんで居るんだ!!)に怒鳴られ、室長に走れと命令され、アレンと奮闘した。
悪魔より怖いよ神田!!
Happy♪Birthday
「いったいなぁ…本気で殴ることないじゃん。悪戯なのに…」
「なんで僕まで…」
「どう意見さ…ユウの鬼。」
「うるせぇ」
結局、時間を稼ぎは成功したけど捕まって思いっきり殴られた。(アレンとラビと一緒に。)
「まぁ、誕生日おめでとう。」
「もうケーキはいらねーぞ」
「そんな、何個も買えるお金は持ってないよ…これ買ったし。」
真面目なプレゼントもちゃん用意してたんだから、私。
(リナリーに手伝ってもらって決めた)緋色の髪紐の入った箱を渡すと、用心しながら神田は開いた。(少し失礼だと思う。)
「髪紐…」
「神田よく任務で髪紐無くしたり切ったりするから、丈夫なのにしといたよ。」
無駄なものあげたって、喜ばないし最悪返却されちゃうから、使えるものをと少し頑張ったし、反応がよかったから嬉しい。
お礼らしいお礼はもらえなかったけど、神田らしいからいいかな。
何事もなかったようにまたそばを食べ出した神田を見ながら私は、思った。
(今度髪いじって遊んでやろう。)
(今日も平和さ…俺の出番は相変わらずだけど…)