「今日もお美しい」
うふふと笑いながら僕に走り寄る彼女は正直気持ち悪い。
スッと逃げるように身を引けば、隣で地面とこんにちわをしている彼女がよく見えた。
「ちぇっ、つれないなまったく。」
「君は少し女性らしくしたらどうだ?」
「女性らしいのは君だけで十分だ。照美君。」
「喧嘩売ってるの?」
「ううん、私の売ってるのは照美君のブロマイドだよ。」
人に断りをいれず何を勝手にやっているのだと怒りが沸々と沸き上がってくる。とくに、その反省してないという顔がムカつく。
「本当に怒るよ。」
いつもより低く呟けば、
あぁ、やべぇ。と逃げるように走り去る彼女に本気で怒りが沸いた。
困った女の子。
「はやまるな、美少じ…美少年。」
「言いなおしたね…」
「うぁぁぁぁっ在庫がっ」
段ボール3箱分のブロマイドを消却すると、彼女はおいおい泣きながら僕の足にすがりついてきて、うっと惜しい。
うっとうしいと思いながらも冷たくできない僕も僕だけど。