太陽光にキラキラ光輝くのはね、地球とか海とか、空とかだけじゃないのよ。
とっても素敵な青も、太陽光でキラキラ輝くの。
わたしは、その色が大好きで仕方ない。私の見慣れたその青は、いつも私の目線少し上にあるの。
隣で雑誌を読む一郎太の髪を撫でながら、そんな思いに浸っていたら、どうしたんだ?と一郎太が聞いてくる。
だから、別にどうもしないの。と返したら、一郎太の視線はまた雑誌に戻ってしまった。
ちょっとムッとして、一郎太と雑誌の間に割り込んで、彼と向かい合わせに彼の足の上に座ると、雑誌を床においてくれた。
「ねぇ、一郎太。私ね、一郎太のサラサラでたまに重力に逆らう髪の毛が大好きなの。
一郎太が走ると、風になびいてふわふわ漂うのも好き。
空の色みたいに真っ青なのも、指ですいた時にさらっと指が通るのもいいわ。」
息継ぎ無しに言い切って、その後大きく息を吸い込んで、ゆっくり呼吸した。
そんな私を見ながら一郎太は、
「俺は、しっとりとまっすぐ長いこの黒い髪が好きだけどな…」
そう言って優しく根本から毛先にかけて優しく撫でる。なんだかこそばゆくて体をくねらせて逃げると、私の腰に一郎太の腕が回って引き寄せられた。
「俺は、やっぱりこっちの方が好きだ」
一郎太は、右手を腰から離して、
髪を撫でた。
「一郎太にそう言ってもらえて嬉しいわ。」
一郎太の首元に顔を埋めて、幸せいっぱいに私は言った。
…後書き……
企画没