「楽しいですか?」
久々の休日に彼氏である風丸先輩の家で過ごしていたら、ふと疑問が浮かんだ。
もともと私も先輩も陸部だったんだけど、数ヵ月前から先輩はサッカー部に変わってしまった。少し寂しくもあったけど、まぁ仕方ないことだ。
「どうしたんだ?」
「サッカー、陸上より楽しいですか?」
浮かんだ疑問が気になってもう一度質問すると、困らせてしまったのか眉を下げた先輩が私の頭を撫でながら言った。
「楽しいよ。でもそれは走るのとはまた違うんだ…だからどっちの方が楽しいとかじゃないかな。」
「そっか。」
はっきりした答えじゃないけど、私はこの答えが妙に納得できてこれ以上この質問はしなかった。
「じゃ、私といるのは楽しいですか?」
「楽しいしとはちがうな、幸せだよ。」
楽しいとは違うと言われたとき、絶望感で打ちのめされそうになったけど、次の言葉でホッとした。先輩今日はなんか意地悪だな…。
「私も先輩の傍にいれて幸せです。」
楽しいですか?
「でも、ひとつ不満だな。」
私の頭を撫でていた手を止めた先輩のこぼす一言に、
何ですか?と尋ねると、名前で呼んで欲しいとちょっと照れ臭そうな笑いと一緒に答えが返ってきた。
そんな先輩に私は、
一朗太先輩、サッカー楽しんでね。
と抱きつきながら返しといた。
(○○もサッカーやらないか?)
(嫌。サッカーやってる一朗太見えなくなっちゃうもん)
あと、先輩はとって欲しいという一郎太にそのうちね。と意地悪した。
…後書き……
お待たせいたしました。陸部ヒロインとの話だったので、過去贈呈とか色々書いてみたんですが、一番お家デートがほのぼのしたので、こんなお話にしてみました。
風丸くんは一番好きなのにまともに書いたことないので口調平気かなとか不安なめんありますが、楽しく書かせていただきました。
この前の失礼申し訳けありませんでした。これからもよろしくお願い致します。