春。出会いの季節は、試練の後にあるからこそ輝きを増すと思います…あの辛かった受験生活を抜け…今、私は女子高生になりました!!


「くぅーっ、春だ。春だよ…まさかの第一志望合格とか…頑張った私!!」


一人浮かれながら、中学が一緒だった友達探しに入学式後のごった返した道を急いだ。





「きゃうっ」


はずだったのに、なぜか穴に落ちた。

新品のスカートについた砂をはたき落としながら、背丈より高い穴からどう脱出するか頭を捻った。

いや、むしろなぜ穴がある?めちゃくちゃ人通り多かったはずなんだけど、なぜ私だけ落ちた?


「おっ、汚れ落ちた」


あぁヤバい…いつもの癖でスカートの砂落ちてよかったなとか思考が反れてきた。ちゃんと本題戻さなくちゃ!!

で、私これからどうしましょうか…


「おやまぁ、珍しいものが引っ掛かった。」
「あらまぁ、人が来た。助けてください」


私を見つけて親切にも引き上げてくれた男の子の校章の色を見て、先輩かぁとかかっこいい人だとか思っていたらなんか横にスコップ見えた。


「僕の穴にこんな見事に落ちた人はじめてだよ。」


あはは、犯人こいつかよ。親切じゃねぇ、当たり前のことしてもらったわけね私。


「いやぁ、何してんですかあんた。イジメ?」
「趣味の穴堀だよ」
「迷惑な穴堀してますね。」
「そうかい?」
「そうですよ。」


顔をひきつらせ笑う私に、先輩は空を見上げながら答えた。





落とし穴に捕まった。






「なんて事もあったね喜八郎、」
「そうだったっけ?」
「てめぇ…」


2年1組の中にひとり堂々と居座る私は、一年生、

あの入学式の出会いから喜八郎と付き合うことになった私は、こうして喜八郎の元に毎日のように通ってたりする。


「○○、卵焼き美味しい」
「そりゃどうも。」


手作りのお弁当をもぐもぐ子供みたいにほうばる可愛い彼氏を頬杖つきながらのんびり眺める。

あぁ、そろそろ夏休みか。自慢話はウザイが頭いい滝先輩に宿題手伝ってもらって早めに終わらせて、この可愛い彼氏を連れ回してやろう。


「喜八郎、」
「なに?」
「なんでもない」
「……」
「痛いたいっ」


気になるからって私の頬っぺた捻らないで。

「……」
「夏休みいっぱい遊ぼうね」
「うん。」


くそ、頬っぺた腫れた。


「ずっと一緒」
「へいへい。」


入学式に穴に落ちてからずっと、私は貴方に捕まってる気がする。
一生あんたから離れられないなコレは…
まぁ、離れないけどね。





…後書き……
ラスト!!
連載外ヒロインで短編書いてみました^^ちょっと口悪な後輩ヒロインで書こうとあがいたらこんな感じになりましたがどうでしょう?
本当に今回はすいませんでした・・;
今後このようなことの無いように管理頑張っていきますので、今後もよろしくお願いします^^


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bkm
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