※暗。報われない。年齢操作!
「兵ちゃんは、綺麗ね。」
作法委員会委員長の笹山様を目の前にこんなバカなこと言える私ってすごいと思う。
前にきり丸くん今と同じようなこと言ったら、○○はバカだから言えるんだって返されたんだったな…
「僕男だよ、そんなこと言われても嬉しくない…なに、喧嘩売ってるの?」
「違うよ、思ったから言ったの。それだけよ。」
作法室の真ん中で、私は立っている兵ちゃんを座りながら見上げ、兵ちゃんは私を見下してる。伝七君が凄く焦ったように私を兵ちゃんから引き剥がし後輩たちは部屋の隅に隠れた。
「私は、思ったことを言っただけよ。それだけなのよ」
なおも続ける私に兵ちゃんの眉間にシワが寄る。
「私が今まで見た誰よりも綺麗」
いい加減にしろと、兵ちゃんの低い声が私に届いた。怒らせたみたい…そんな顔も好きだけど。好きな兵ちゃんの表情はらなんでも好きなんだ。
あぁ、でももう時間だしちゃんと言うこと言わなくちゃいけないな。
「私ね、嫁ぐことになったの。だからね、大好きな兵ちゃんの顔最後に見たかったんだ。」
よかったら、笑って?
我が儘だと思いつつも彼にそう告げると、顔色が変わった。悲しそうな表情に少し青ざめた顔…できれば笑ってほしかったな。
「○○…」
「さよなら、兵ちゃん」
お迎えの呼ぶ声が聞こえたから、作法室から出て兵ちゃんに背を向けて走った。
泣いてるのを見られたくなかったから。
さようなら、世界で一番美しい君。
世界って言うのは白状だ。
さようなら。
「○○…」
君に届けられなかったこの言葉、僕は何処に吐き捨てればいい?
大好きだった。さようなら。僕の可愛い君…