ブン太と喧嘩した。喧嘩したっていうより怒られた。ムッとして、声の大きさが怖くて、ついいい返したら、
「俺が悪いのかよぃ」
「ブン太が悪いんでしょ?!」
「俺じゃないっつーの!」
この様。何やってるんだあたしは。別にブン太と喧嘩したい訳じゃないのに。
「もうブン太なんか知らない!」
「あ。おい、波野!」
ブン太に腹がたった訳じゃなくて、自分に腹が立ってその場から逃げ出した。
「…」
「どうした、波野」
逃亡した先の中庭には仁王がいた。「またか」みたいな反応をされたけど気にしない。
「…何でもないよ」
「どうせブン太と喧嘩したとかそんな所じゃろ」
「うっ…!」
グサッとあっさり痛いトコをつかないで欲しい。確かにブン太と喧嘩したのが理由だけどさ。
「まぁ元気出しんしゃい」
「…」
ポンポンと頭を叩くように撫でられる。あたし、仁王にバカにされてる気がする。そんなに早く元気が出るような簡単なヤツじゃないよ、あたしだって。
「これやるきに、」
「ふぉお!いいの?いいの?」
嘘、前言撤回。何もなければ簡単に元気になったりしない。ピョコッと手品みたいに仁王の手先から出てきたのは、某低カロリースティック。
「あぁ」
「ありが、」
前々から食べてみたいと思ってたそれ。手を伸ばすと
「没収ー」
そんな呑気な声が聞こえて仁王の手からスティックが消えた。ついでに背中から温もり、人肌?驚いて振り向けばブン太が。なんで?なんで後ろから抱きしめてるの?!
「あぁ!何すんのよブン太!」
「うっせ」
「あーはいはい、さっさと仲直りしんしゃいよ」
食料返せって言っても同じ態度。さっきまで喧嘩してたのに、変な感じだ。
「…」
「…っち」
「ふぐっ!」
いきなり口に低カロリースティックを入れられた。一瞬呼吸が出来なくなって咽せそうになる。後ろを振り向こうとしたけど、何故か頭をガッチリ固定されて後ろを向くコトが出来なかった。
「悪かった、な。さっき」
「…?」
後ろからなんだか情けない声。悪かった?
「だぁからぁ!…さっきいきなり怒鳴ってごめん、って」
強い言い出しからどんどん小さくなって最後はホントにブン太かって言いたくなるような声。思わず笑いそうになって、そんなブン太がすっごく可愛くてまだくえたままだったスティックを折って後ろのブン太に渡す。もそもそと口に入ってるスティックを食べきる。
「半分上げる」
ようやく喋れるようになった口でそういうと、
「折らなくて良かったのに」
耳元でそう言われた。



仲直りテクノ


+後書きと書いて修羅場と読む+
小豆様にに捧げ。らしいよ(笑
いつになく酷くて申し訳ない!(汗


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