「ねー、」
「なんだい?」
「何でももちゃんはこんなに可愛いのかな?」
膝の上で丸くなって寝ている桃太郎にハンカチをかけながら隣に座る京介に話をふる。
「さぁね」
私がかまって欲しくて話しかけたと思ったのか、桃太郎の話だとわかるとムッとしてそっぽを向いてしまった。
「京介、ねーってば、」
「君は本当に好きだね。」
桃太郎を凄まじい形相で睨むも、寝ている桃太郎が起きてしまうようなことをしないから、なんだか可愛く思ってしまう。
60近く上なのにね。
「京介も好きだよ。ううん、京介のほうがずーと好き。」
「恥ずかしげもなくよく言うね○○は、」
「言わないと怒るじゃない。」
甘えて京介の肩に頭を乗せると、優しく撫でてくれる。
「私ね、エスパーに産んだ親をねかなり恨んだの。でもね、今は感謝してるんだ。」
「ん?」
「だって、ノーマルだったら、京介にこうしてもらえないもん」
「……例えノーマルでも○○だったらいいさ」
「うそね。」
そんなことはない。と言うけど、やっぱり嘘よ。
………ねぇ、貴方のその傷ついた心はどうやったら温められるのかな?
「このまま、二人で溶けて、消えちゃいたい。そうしたらずっと京介と一緒。それに、京介はよそ見しないもの」
「○○?」
「ずっと、一緒……」
ただ唇を押し付け合ってるだけのはずなのに、何でこんなに幸せで溶けてしまいそうなんだろう。
膝の上の桃太郎の温かさが感じる。
京介の温かさが感じる。
メルト
あぁ、このまま溶けてしまったらどんなにか幸せだろう。