"大丈夫ですよ。"

 私の彼氏は、表情一つ変えないで"いつでも"そう言います。
 どんなに疲れてるときも、木兎くん関係で大変なときも、京治は私の我が儘に"大丈夫ですよ"と答える。


「でも、その日 試合の次の日でしょ。休んだ方がいいよ。」
「でも、その日しか空いてないんでしょ?」


  "駅前に新しくできたケーキ屋さんの開店記念の特別ケーキを食べたいな。"と、何となく言ったときは、疲れているはずなのに、私に付き合ってデートしてくれた。
 甘いのも好きなんだな…と新発見したのは嬉しかったけど、無理させてしまってると思った。


「京治は、いつも大丈夫って言うよね。」
「何ですか?急に…」
「だって、無理してるんじゃないかって不安になるんだもの。」
「不安にさせた?」
「させました。」


 ばつが悪そうに、頭をかきながら"ごめん"と謝る京治に、この人は本当に優しい人なんだからと、少し呆れた。






   嘘つきな君





「無理した結果、寝込んじゃうなんてね。」
「デートのせいじゃないですから。」
「何?木兎のお世話に疲れちゃいました?私より木兎か、ん?」
「いや、すいません。無理しました。」


 ほら、やっぱり。無茶して…。こう言うとき凄くムキになるんだもん。困ったもんだわ。素直じゃないってか、私を悲しませないように意地はって嘘をつく。

木兎君に見せてやりたいわ。こんなかわいい京治を…。


「○○、ごめん。」
「はいはい、別にいいですよ。京治とケーキ食べれて嬉しかったしね。」
「俺も、」
「だけど、もう嘘つかないでよ。」
「うん。」


本当にダルいんだろうな…途中から単語単語の会話になってきたし。まったく、色んな事に気を使って無理しすぎなんだから…私にくらい甘えとけばいいのよ。



「京治、もう嘘つかないでよ。あと、私にくらい甘えとけばいいのよ。」


いつの間にか寝てしまった京治の手を握りながら、聞こえてないだろうけど言っておいた。



(○○、疲れた。)
(疲れたんなら、私に引っ付いてないで保健室で寝てきなよ。)
(甘えていいって言ったのは○○でしょ。)
(聞いてたのか…。)






パラフィン

提出作品。もう、楽しかったです!
赤葦君はたまにデレたらいいと思います。変なとこで意味もなくデレたところを可愛がりたい!


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