世の中には、不思議なことが沢山あります。


「○○、醤油とってくれないか。」
「どうぞ。」


例えば、私の目の前にいるこの男とか。

名前は、土井半助。タキシード仮面と並ぶ初恋泥棒。そして、忍術学園の一年は組教科担当の先生だ。

漫画の中の登場人物が、現実にいるなんて本当に不思議よね。

一応、言っておきますが、そっくりさんでもないし、コスプレイヤーさんでもなく、私の頭がおかしくなっちゃった。とかでもありません。

これは、現実なのです。


「半助、帰える方法見つかった?」
「見つかっていたら、帰っているよ。」
「そうだね。」





叶うなら、いつまでも






居心地が良いなら、ずっとここにいれば良いのに。

冗談半分に私は言った。学園の子供たちの心配をしている半助なら、きっと拒否すると思ったから。そうしたら、この恋心に終止符が打てると思ったから。


「ありがとう○○。
でも、長くはいられないよ。きり丸や生徒たちが心配だからね。」
「うん。」
「だけど、○○のいるこの世界で、平和ボケしているのも捨てがたい。」


なのに、この男は酷いことを言う。


「酷いの。そんなこと言われたら、帰らないで って言いたくなっちゃうじゃない。
置いていかないでっ て、言いたくなっちゃうじゃない。」


半助は困った顔をする。だけど、絶対に"付いてくるか?"とは、聞かない。
私は、半助の世界で生きるには平和ボケしすぎている。


「困らせちゃったね。ごめんね…。」
「謝ることはないよ。さぁ、はやく食べてしまわないと、ご飯が冷めてしまう。」


練り物をそっと避けながら、食事を再開させ彼は、幻なんかじゃない。
私の目の前にいる…現実に存在する。


「お残しは許しません。」
「そこをなんとか…。」


嫌いなものを食べなくてすむように私のご機嫌をとる、この何とも人間らしい貴方は、絵の中の人間なんかじゃない。

貴方は、現実に存在する私の…最愛の人。






(いつまでも、ここで暮らしたいと思った私は、教師失格なのだろうか。)

(いつまでも、ここにいて欲しいと思った私は、酷い女なんでしょうか。)



神様は、答えをくださらない。




なんでもないの。

企画提出作品。遅くなってしまいましたが…。
絵の完全否定と言うことでしたので、否定してみました。

トリップネタは、主夫化させるのが好きですが、土井先生はきっと、素敵な主夫となるでしょうね。
では、企画参加させて頂きましてありがとうございました。


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bkm
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