年越しは、三郎とがいいな。
可愛らしいことを言い出すのはこの口か!!
私の口でぴったり塞いでしまいたくなるくらい可愛らしいことを言う雷蔵と年越しの約束を取り付けたのは、クリスマスのことだった。
来週は年越しの準備だね。と言う会話から、年越しはどう過ごすか、年越し蕎麦はどこのを食べるか…色々話していくうちに自然に決まった約束に心踊らせながら12月31日を心待に待っていた。
のに、
「なんでお前らがいるんだよ!!」
「五月蝿いぞ三郎、豆腐がくずれる」
「わりぃ、雷蔵こいつら止められなかった。あっ、勘ちゃんまだ火通ってないから摘まみ食いするならそこのお菓子にしろ」
「八、お母さんみたい」
いや、待てよ八。
わりぃ。と言いながら普通に鍋作ってるのはお前だぞ。
しかも、なんで雷蔵にしか謝らないんだ?
私、少し傷ついた。
「三郎、雷蔵も鍋できだぞ。」
「何鍋だ?」
「お皿とか足りる?」
色々言いたいことはあるけど、八の鍋はうまいから文句言うのやーめた。
「鍋の最後はそばでしめるからな。ダシ取りすぎるなよ。」
「豆腐はまだか?」
「もう食べていい?」
「雷蔵は私の隣だからな」
「八、取り皿持ってきたよ」
何だかんだで、私は5人組で過ごす時間が好きだ。
年越しの仕方。
「おりゃ、」
「やめろ兵助、豆腐をいれるな!!」
「ねぇ八、蕎麦まだ?」
「雷蔵、あーん」
「三郎まって、八手伝わないと。」