露西亜寿司を一人で出た私は、新居まで案内してくれると言うサイモンの申し出を断って一人新居へ向かった。ここら一体の地図は頭に叩き込んであるからどこにどの道があるか、裏路地がどう続いているかも把握してる。
わざわざサイモンに仕事を中断させてつれていってもらう必要はない。
ブラブラと夜の町を歩きながら大きめのスーツケースを引っ張る。
中身は、お気に入りの日常生活品。
向こうのアパートは解約して、ボスの倉庫の片隅に持ってこれなかったものをしまわせてもらっている。ほとぼりが覚めたら、またあっちで仕事するつもりだからだ。
いつまで日本にいるのだろうか。
ため息をつきながら、私は新居の小綺麗なアパートに着いた。
日本で言われるアパートにあまり良い印象はなかったが、デニスが用意してくれただけあってなかなかのものだった。
家賃はそれなりしそうだけど、貯金はあるからアルバイトでもしていたらなんとかなるだろう。
その夜は大人しく露西亜寿司の面々が用意してくれたベッド一式をありがたく使いながら眠りに着いた。
明るさを落とした照明を付けたまま。