少し休憩をもらった私は、一旦家に帰りお客さんの話を聞くことにした。


「赤林…あぁ、粟楠会の幹部さんね、で、」
「察しが良い子は好きだよ。まぁ、ちょいと探し人を頼みたくてね」


なんともつかめない男。

あまり好きじゃないな…まぁ、仕事は仕事だし受けちゃいたいけど…


「探し人によりますね」


アメリカと違って、女生身でやらなくちゃならないし、動ける範囲は狭いから仕事は、選別しなくちゃ。


「家出したお嬢さん探しをお願いできるか?」
「娘さん?」
「ん?いやいや、若頭のお嬢さんなんだけどね」
「分かった。それなら引き受けるわ。はやめに写真と特徴、それから家出当時の服装を教えてくださいね。あと、渡しておきますから契約書の方に目を通していただいてサインを頂くまで、私は動けないのでご了承ください。」
「色々と面倒だね…まぁ、何とかしとくから、よろしくね。」


赤林が契約書を一通り見てサインしたのを見て私は話を続けた。


「私の方も仕事なので、契約以上の事が起きた場合、それまで調べた情報と返金額分をお支払することになります。それに関してのクレームはお断りします。この場で申し上げましたので、説明の責任は果たしたものといたします。先程言ったものが揃いましたらご連絡ください。私も仕事に関して準備がありますからいったん失礼しますね。」
「おぅ、よろしく頼むな。」

仕事を引き受け、私は新たな気持ちで店の外へ出た。


この世界で私は、また新しい一歩を踏み出す…Aと静雄と、この町の皆と一緒に。


「さぁ、久々に人探ししますか。」




私の明日のために。










END






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