「窃盗犯をベンチでフルスイングした?それで二人もフットばかしたの」
朝、色々終わったよって言う報告をするため 静雄の部屋を覗いたらそんな話をしてくれた。
それでか、朝から少し機嫌の悪い静雄に、少年を紹介するべきか否かちょっと迷う。
紫外線に弱い彼やを遮光カーテンをしてない静雄の部屋に連れていくわけにもいかず、ちょとばかし困惑中。
「で、なんか用があったんじゃないか?」
タイミング良く話しかけてくれた静雄に感謝しながら、手短に昨日の事含め私が日本に来た理由と、結末を話した。
静雄は、ただ静かに聞いてくれて、なんだかセルティと話してる気分。
「家の人に許可もらってこっちのホテルに滞在してるみたいなんだ。もう日が高いから、暗くなるまで私の部屋に居てもらうことにしたの。」
「平気なのか?」
「私はもう平気。なんか吹っ切れたら昔の自分がバカらしいや…」
静雄と話している間に少年は、二度寝をしてしまったから、静雄の出勤まで私は静雄と話すことにした(静雄の方が早く出るんだよね。私バイトだし。)
「そういえば名前」
「名前?」
「その、部屋にいる」
「あぁ…確かAって名前だったかな…私も仕事の一件だったし…曖昧なんだ。あの子が寝てる間に昔の資料取り寄せるわ」
少年で統一していたものだから、名前曖昧になっちゃった。
仕事鈍りかな?
昔ならちゃんと依頼があったかとは覚えてるのに。
なんか、これじゃ年寄りみたいじゃない。
ちょっと仕事戻る前に感覚戻しとかなくちゃ。
「○○、」
「ん?」
「いつまで日本にいるんだ?」
「えっ…まぁ、うん。もうちょいは居るよ。」
「そういや、○○の横の部屋空いただろ?」
「うん。良い感じのおばさんだったんだけどな…」
「どんなだっけ?」
「体格の良い、私の日本食の先生。」
「先生?」
「うん。良くしてもらったんだ」
「へぇ」
静雄…話そらせてくれたのかな?