「みーつけた」




白い髪を月明かりに輝かせ、赤い目を閉じにっこりと笑った。

私が外に出てそんなに経たない頃、少年は静かに現れた。



「ねぇ、なんで私を追うの?」



そんな少年に私は、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。



「鬼ごっこだから。
鬼ね、見つけたら切りつける。だって鬼だから。」


正直答えてくれると思わなかった。
ちゃんと話をしてくれると思わなかった。
少し戸惑ってる私に、
少したどたどしい日本語を使う少年は、無邪気なまま話続ける。

「あのとき、見つけたのに切ってくれなかった?だから、また僕、鬼やってる。」
「見つけた?」
「うん」



どこかおかしな話に、頭を回す私は、そこでやっと自分の変化に気がついた。

私、震えてない。怯えてない。

今までの恐怖が嘘みたいに取り払われ、冷静に少年の話に耳を傾ける私がいた。

やっぱり、私は甘えていただけなんだ。






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