一年半くらい前の事。
私がまだアメリカで本業の人探しをしている時の事だ。
少年の父親に頼まれて、誘拐犯の居場所…つまりは少年の居場所を突き止める依頼を受けた。
対象がちょくちょく移動するわけでもないし、簡単な仕事だから早めに済ませてしまおう。
そんな甘い考えで、私はミスをした。
私は不注意にも誘拐犯と接触してしまい、
本来警察に任せるべきところだったが、そのまま少年を助けることになった。
大丈夫?
そう話しかけた私に、
誘拐された少年は、誘拐された事に怯えもせず、無関心な顔をしていた。
その少年が、口を開いたとき、想像していなかった言葉が聞こえてきた。
みーつけた。
耳を疑った。なぜ、見つけた。と言われたのだろう。
目を疑った。無関心だった少年の顔が、探し物を見つけたときのように輝いていたからだ。
その時から違和感は、感じていた。
そして、その日以降私と彼の鬼ごっこは始まった。