「なぁ、」


食べ終わって食器の片付けに入った私に、静雄が話しかけてきた。

「なに?」
「羽島幽平どう思う?」
「俳優の?こんど映画の主役やる子でしょ?演技上手いよね。」
「そうだな…」
「どうしたのよ?」


片付けが終わったから手から泡を落として、水気も取りながらいつもと違う静雄の様子に疑問を感じる。


「弟なんだけどよ…この頃全然会えてなくてよ、」
「遠くに離れちゃう感じが寂しいとか?」
「バカ…ちげーよ」
「弟思いっていいんじゃない?」


ソファーでくつろいでいた静雄の隣に座って、サングラスを取り、新聞に出ていた羽島幽平の顔と見比べてみる。


「言われて確かめてみると似てるね…でも、静雄の方が目付き悪い…いや、むしろ幽平君の目って何考えてるか分からない感じがする…」
「あいつは、昔から表情に出さなくて、俺はすぐ行動に出る…正反対なんだよ。」
「まぁ、そんなものでしょ?まさか、静雄がこんな話してくれるなんて思わなかったから嬉しい。」


少し照れる静雄が、凄く可愛いなと思ったけど、きっと怒るから黙っておいた。


「私は、幽平君より静雄の方がいいかも。」
「なっ…」
「顔真っ赤になってる」
「うるせぇ」




今日は、平和な一日です。




「静雄、」
「なんだ?」
「私頑張ってみようかな…もし、頑張ったら…今度どっか連れてってね?」
「なんか分からねぇけど、
まぁ、頑張りすぎるなよ。」
「うん」





そろそろ、けりをつけよう。

静雄の横で胸を張って生きられるように。






♂♀


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -