「あっ起きた?」
新羅の言葉に振り向くと、私の見知った少女が居た。
「杏里ちゃんだったんだ」
「おはようございます」
新羅が言っていたもう一人が杏里ちゃんと分かった後、静雄が奥の部屋からやって来た。
「元気じゃない」
「何で歩けるんだ?」
人生を否定されたような絶望色に染まった新羅の声に機嫌が少し悪くなった静雄にちょっとばかし身を縮めた。
「○○が着替えを届けてくれたんだよ。お礼言わなくちゃね。」
少し復活した新羅が、小学生に言い聞かすように静雄に言うものだから、キレるんじゃないかと思ったけど、素直に礼を言われてホっとした。
普通にしてたらかっこいいのにな…
そんなこと言ったら、臨也なんか黙ってれば良いのに(…そうしたら普通にカッコイイのに)ね。