首なしライダー。
正臣が言っていた気がする。
私は、首の上にあるべきものを無くしたライダーをマジマジと見ながら思い出した。
別段恐ろしいと思わなかったが、首から外に放出される黒い物質に興味が沸いて仕方ない。
「セルティーどうしたんだい?」。
あぁ、そうか。
私は見つかりたくないんだった。すっかり忘れていた私は、二人の男が近づいてやっと思い出した。
「やばっ…」
「ほーら。やっぱり人がいた。平気?」
「あ………はい。なんとか」
二人で会話していたと思ったら行きなり声をかけられどうしたものかと混乱する。
曖昧に濁しながら、白衣の男とバーテン服の男を見上げた。そして、近くにいる首なしライダーを見つめた。
グッバイ。私の平穏生活。