「なぁっ…」


気づいたときにはすでに遅く、鈍い音と壁の残骸が私に降りかかってきた。


別段薄くない壁がなぜ普通に崩れ去った?


私の脳裏に痛みと共に平和島静雄と言う名が浮かんだ。


不幸中の幸いにも、大きな瓦礫は私の横に落ち、細かい破片での怪我のみですんだ。(不幸中の幸いなのかな?)

ぐるぐる思考の渦に巻き込まれていく私に聞こえたのは、仮定がひとつ肯定されるような内容の話だった。


「静雄、人の声がしなかった?」
「あぁ?隣は空き部屋だろ!!」
「ならなんで電気がついているんだい?」



自販機と共に聞こえた怒鳴り声に似たその声は、誰かと話しているようだ。(願わくば関わりたくない。)
そして私は、ドクンドクン五月蝿い鼓動に焦りながら、見つかりたくないと強く願った。



が、


その願いは、黒ライダーにより阻止された。






♂♀


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