「自販機が…飛んできた?」

隣に落ちてきた鉄の塊に腰を抜かした私は、自販機とそれが飛んできた方向を何度も見返した。





ぞろぞろとその場から離れる人を見て、逃げなければ。
と、思ったけども何が起こってるか気になって動けない。(+まだ腰が抜けてる。)



「お姉さん、逃げた方がいいって。」

切羽詰まった声が聞こえたっ思ったら、ぐいっと腕を引かれて立たされた。

せかされるまま足を動かした私は、そこではじめて私を救ってくれた人を認識した。

その人とは、連れの少年と少女を前に走らせながら走る十代半ばの少年だったのだ。(何度も軟派そうな少年だ。)




「あのさ、助けてもらってなんだけど、なんなの?日本の自販機は、空を飛ぶの?」
「なになに?知らないであそこにいたの?」
「昨日こっちに越してきたばっかりなの。」
「うむむ…なんと説明すれば良いか。あの販売機は、平和島静雄がフットばかしたやつね。」
「人が?人がそんなことできるの!!」



常識を逸脱したその言葉に絶句する私は、ある男の事を思い出してなんとか納得した。



少年の話が事実か本当なのか分からないけど、嘘をついてるように思えないから信じておく事にする。


まぁ、今はとにかく走ろう。




なんだか、止まったらいけない気がするし。






♂♀


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