「雪が降ってきました…」
もう、冬なのですね。
染々と思いながら足を早めた。
白いマフラー
「喜八郎、どこですか?」
私は、喜八郎に渡そうと思っているものを腕に抱いて中庭を寒いなと思いながら歩く。
一ヶ月前にしんべえ君のパパさんに羊毛とそれを編む棒を頂いてから毎晩頑張って編んだマフラーは、真っ白で今降っている雪のようです。
「あっ、なまえだ。」
「喜八郎、見つけました。」
唐突に
穴からひょっこり現れた喜八郎を見つけた私は、雪が降る中庭に傘を差さずに飛び出し、喜八郎の首にマフラーを巻きました。
きょとんと、した後喜八郎は難しい顔をして、汚れてしまうと呟きました。
「では、今日の穴堀は終わりにしてください。」
「えー、」
「冬の夜はとても冷えますから、風邪をひいて穴堀できなくなってしまいますよ。」
踏鋤のフミ子ちゃんを抱え、先に歩き穴を惚れないようにしてしまえば仕方ないと喜八郎は諦めて大人しく私についてきてくれました。
「なまえはずるい」
「ずるくないですよ」
「ずるいよ、僕はくりすますぷれぜんと 用意してないのに」
「あら、喜八郎がくりすますぷれぜんと知っているなんて驚きです。」
「滝夜叉丸が自慢げに話してたの聞いた」
「ふふ、私は、しんべえ君のパパさんに教えていただいたの。その時に、マフラーの編み方も教えていただいたの」
「ふーん。ねぇ、僕は何をあげればいい?」
いつの間にか追い付いて、長いマフラーを器用に私と自分の首に巻き直した喜八郎は、いつもより少し真剣な顔で私に問いかける。
なので私は、
「そうですね…穴堀をせずに私と一日過ごしてくだされば、それでいいです。」
とお願いしました。
(この頃寒いから、一日でも二日でも僕はいいよ。)
(あら、そんなこと言いながら穴堀に行ってしまうでしょうに)
(たぶん、行かない)
(喜八郎らしい答えね)
…後書き……
大変長らくお待たせいたしました。
綾部連載をリクエストしていただけるなんて凄く嬉しかったです!!
個人的に一番書いていて楽しかった連載なので…
ほのぼのとの事でしたので、クリスマスで書いてみました。
クリスマスの知識がどちらも少しあるという設定で書いてみました。きっと滝君が仕入れた知識をペラペラと綾部に話すんだろうと思って書いてみましたがいかがですかね?
ではでは、参加ありがとうです!次回機会ありましたらまた参加してくださいませ。