進むべくは帝の路線



今から少々昔の話をしよう


カナワタウンの中心地にそびえ立つ、一軒の屋敷があった
そこには 僅か4歳にも関わらず、大層可愛い気のない少年がいた


「ねぇねぇ、じぃじ なんでオトナはあぁもクズいの?」
「それはじゃな、ツヅリ みーんな馬鹿だからじゃよ!!」
「そーなんだ!!(キャッキャッ)」

4歳児と50を半ば程の年齢の男が 非常に物騒な会話を交わしていた

「よいか、ツヅリ 今の時代 皆一様に大人は枯れておる…お前はそうなってはならん、男は少々横暴な位が良いんじゃ」
「おーぼー?」
「そして、唯我独尊であれ!!」
「あれー!」
「流石は我が孫!! これなら将来 女にモッテモテになれるわ!!」
「じぃじキモーイ!!」
「ハハハハハ!!こいつぅ〜〜!!」
「じぃじくんなー!!」

当時4歳の子供の脳は、祖父の言葉をスポンジのように吸収していった
これこそが、祖父による孫の教育方針であった

そして、ツヅリの幼い頃から海外出張の多かった 実の両親の代わりに、祖父が親代わりだったので 止められる者などいなかったのだ

故にツヅリは
祖父の元で、ふてぶてしく育ったのである


ちなみにその後
輪に掛けたふてぶてしさを身に付けたツヅリを見、
久々に愛息子に会いに来た両親に泣かれたのは言うまでもなかろう……



「つーわけで、ガキの頃は何かとじーちゃんが俺の世話を焼いてくれて 色々教わった訳だ」

ツヅリの視線の先には、自分よりも4、5歳年上の部下である サブウェイマスターの二人が居た

「成る程……総ては前所長が原因だったのですね」
眉間を指で抑えつつ 溜め息を付いたのはノボリである

「とんでもないにも程があるよ…」
いつもの笑顔ではなく、苦々しい表情を浮かべるのはクダリである

「でもまぁ、じーちゃんの教育方針が非常識っつーのは薄々感じてはいたんだけどねぇ…」
ここまで酷いとは思ってなかった、と言うのは現在の20歳のツヅリ。


ツヅリという男の基盤は、間違いなく 彼の祖父であるのは


………言いたくもない現実である。






11.8.27(当サイトup日)
またも「TRUTH」の管理人様・終夜那知さんにリクエストを受けていただきました。
pkmn連載の2代目所長ツヅリさんの「小さい時のツヅリさんとじーちゃん」です。
やっぱりじーちゃんは只者じゃありませんね…!
最強に最凶な男の育て方がよくわかりました。勉強になります^^
じーちゃんと孫の会話が噛み合っていないのがまた微笑ましい(*´∇`*)


ありがとうございます終夜さん!
返品はしませんよ、絶対に…!(笑)


くろこ


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