この人とんでもないな…
私は今、ギアステーションのマルチトレインの入り口の前に居た
何故かと言うと。
『なまえ様、今日は特にご予定がありませんのでしたら…是非とも我がシングルトレインへおいで下さいまし』
『はい!?』
今朝、いつも通りに朝食を食べていた所 またもやノボリさんが爆弾発言をして来たのがそもそもの原因なんだけども
その後、
弟のクダリさんまでもが乱入してきて更に事態はカオスになった
『ねぇねぇ、なまえ シングルよりもダブルに来てよ!』
『……クダリ、』
その後、双子の仁義なき戦いが繰り広げられようとしたんだけど
流石に危機感を募らせた私が間を取って『だったらマルチに行きますから!!』と言ってしまったのだ
まぁそれで、オノノクスやシビルドンの暴挙を防ぐ事が出来たと思えば…可愛いものだ
そして、ギアステーションに到着した私は 1つ重大な事を忘れていた事に気づいた
「しまった、タッグを組む相手が居ない…!!」
そう、マルチトレインに挑戦するには二人一組が絶対
しかし私は今一人だ おまけにここいらに親しい人は居ない
「うーわー…どうしよー」
今の私を表現するならば orz であろう
とにかく私はへこたれていた
そこに、スッと 私の前に影が差した
その人は私の前にしゃがむと私の頭に軽く手を置いて「どしたの?」と声を掛けた
顔を上げると、黒のVネックのシャツにスキニータイプのジーンズに紫のブーツというシンプルな出で立ちの中性的な男性が居た
「え、えっと…;」
「あぁ、いきなりゴメンねぇ? 何か落ち込んでるっぽいからさ」
だから放っておけなくてねぇ… と言った男性はニコニコと私に笑いかけていた
「あの、実は…」
初対面の人にも関わらず、今朝の出来事と私とノボリさん達の関係の経緯を話した
途中途中、うんうんと相槌を打ちながらもちゃんと話を聞いてくれていた
「へぇ… 何て言うか、君も苦労してるんだねぇ;」
「本当に…」
男性は苦笑いを浮かべ、私に同情してくれた
しかし問題はまだ解決していない
「でも、このままじゃノボリさんとクダリさんに何されるか…」
このまま一人で乗り込むにしろ、私の実力じゃあの二人に敵うとも思わない
うーん、うーん と唸っていたら 男性が不意に指をパチンと鳴らし「名案があるよー」と言った
「……名案?」
「YES、名案」
「それで、名案って何なんですか?」
「実に簡単な話だよ、君が俺と組めばいい」
「貴方と、ですか?」
「そだよ!…あぁ、安心してよ ポケモンバトルの実力は結構あるつもりだからさ」
「は、はぁ…宜しくお願いします」
ツヅリさんと名乗ったこの人は『善は急げだ』と言い、さっさとスーパーマルチトレインに乗り込んでいった
何故か途中、駅員さんがギョッとしていたのが気になるが。
そして1車両目、現れたトレーナーがまたもやギョッとしていた
私じゃなくてどうやらツヅリさんへのリアクションだったらしく 『アイツらには黙ってろよ』と釘を刺していた
「あの、アイツらって?」
「君は気にしなくて良いの♪」
はぐらかされた…
「じゃ、始めますかねぇ かるーく遊んでおいで♪セフィール!」
「ハピナ!」
「お願い!タブンネちゃん!;」
「タブンネー」
私はタブンネちゃんを、ツヅリさんはハピナスを出した
そして…
「セフィール!はかいこうせん!」
ハピナスのこの一発でこのバトルは終わってしまった
この人超強い…!!
「す、凄まじい…」
「さーて、さくさく行こうか!」
この宣言通り、そこからは本当にスムーズに事は進んだ
私も足手まといにならない様に頑張った(その度に『良い感じだねぇw』と褒めてくれた)
ちなみに、トレインを進む度にトレーナーの皆さんがツヅリさんを見てギョッとしたり青ざめたりしたりする度に彼は『アイツらには黙ってろよ』と絶対に釘を刺していた
そして、
「来ちゃった…」
「アハハ、来ちゃったねぇ♪」
いよいよ、サブウェイマスターのノボリさんとクダリさんが居る車両まで来た
ガクブルしてる私と対照的にツヅリさんはケラケラ笑っていた
意を決して入ると、やはり二人が待ち構えて居た
「お待ちしておりましたなまえさm「なまえ遅い〜」
「ぎゃ!;」
「………クダリィ」
入った早々にクダリさんが抱きついた為、ノボリさんは歯ぎしりをしながら鬼のような形相でこちらを見ていた
「なまえ様から離れなさい!!」
「やーだっ」
「ちょっ、やめてくださいよ!!;;」
「おい、ノボリにクダリ…俺を無視とは良い度胸だなぁ ん?」
少々不機嫌なツヅリさんの一声で、二人がギギギッと顔をツヅリさんへと向け
そして
「ツヅリさん!?」
「何で居んのさ!?しかも私服で!」
「居ちゃ悪いか」
普段そんなに表情を変える方ではないノボリさんまでもが盛大に驚いていた
ん…いや、ちょっと待て
「あの、お二人とも ツヅリさんとお知り合いなんですか?」
「…いや、その 知り合いも何も……」
「…ギアステーション(ここ)の所長で、僕らの上司」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
驚愕の事実に私はただ叫ぶしか出来なかった
「え、え、え ツヅリさんがここの所長さんで、二人の上司!?」
「イエスオフコース(*´∀`*)」
滅茶苦茶にこやかに肯定の返事をしてくれた
って
「何で教えてくれなかったんですか!?」
「いやぁ…面白くなると踏んだから」
彼が『ごめんねぇ』と言うがこの人絶対悪いとは思ってない…!!
しかも人種がクダリさんと同じ愉快犯タイプだ…!!
「しかし…ツヅリさんが居るとなればわたくし達では相手になりませんね」
「どういう事ですか?」
「僕らはね、ツヅリに一度も勝てた試しがないんだよ」
またもや驚愕、まさかこの二人にも勝てない人が居たとは…
「どうでも良いけどさぁ、やるの?やらないの?」
「……棄権、という事でお願いします」
「僕もー」
「つまんねーの」
結局、ノボリさんとクダリさんは試合放棄し
そのまま4人でトレインから下車した
「アハハハ、悪いねぇなまえちゃん♪ 騙す様な事しちゃって」
「…いえ、良いですよ それに悪いと思ってないでしょ?」
「反省はしてるよ? だからお詫びにこれあげる」
そうして私の手に一つのモンスターボールを押しつけた
「何ですか、これ」
「ポケモン」
「や、それは分かりますけど 何が入ってるんですか?これ」
「イーブイだよ」
「え!イーブイですか!?」
うわ、ちょっと、これは半端じゃなく嬉しいよ!
イッシュじゃ絶対にゲット出来ないし!
「今回のお詫びとポイント代わりって事で♪」
「良いんですか!?」
「受け取ってよ、これからもあの馬鹿二人が世話になるだろーから」
「ありがとうございます!」
お礼を言ったら『どういたしまして』と言い、彼は去って行った
ちなみにこのイーブイ、先日孵化したばかりの♀との事だ
余談だが、翌日 頂いたイーブイを連れてジャッジさんの所に行き鑑定して貰ったら
この子の能力値は全てに置いてパーフェクトだった
11.8.14(当サイトup日)
「TRUTH」の管理人様・終夜那知さんに書いて頂きました。
pkmn連載の2代目所長と我が家の夢主とのコラボです…!
最強なツヅリさんとタッグ組んじゃいましたどうしよう(*´∇`*)
しかも能力値パーフェクトなイーブイまで頂くなんて…!
恐れ多くて進化させられない(*ノノ)
我が家の夢主と双子たちを的確に捉えていらしゃって、全く違和感ないですね。
コラボなんて初めてのことで、1人で勝手に興奮してました(笑)
ありがとうございます終夜さん。
また一つ、心の潤いが増えました(笑)
くろこ
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[mokuji]
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