指切り



―指切り拳万



ね、真ちゃん
約束したもんね

俺とずっと一緒に居てくれるんだって
俺に優しく笑いかけてくれた。


当たり前だと
誓ってくれたんだ。


幸せって詞を理解するのに時間がかかるような俺を

もう我慢ばかりするのは止せって


抱き締めてくれた。





だから、少しだけ我が儘言わせて貰った。



真ちゃん、ちょっと怖い顔してたけど

でも、約束だから。



真ちゃんの綺麗な指を、
多分、本人にとっても宝物。


なら、もっともっと大切な宝物の俺は
そんな宝物より重いから良いよね。




大丈夫だよ、まだ好きなこと出来るよ
バスケは続けられる


だって俺の指は真ちゃんのものなんだから。




―嘘吐いたら



だからさ、言ったよね

俺を幸せにしてくれるんでしょ
俺だけ見てくれるんでしょ


アイツ誰


何、俺の真ちゃんに笑いかけてんの

意味わかんない

信じてたのに

俺しか見ちゃいけないのに
視界に入れちゃいけないのに

俺が何時も、不安に溺れて真ちゃんの小指に泣きついてんの知らないでしょ

キャラじゃ無いもんね

ごめんね。

俺の右手に居る真ちゃんの小指だけは一番綺麗にしたいのに

何故かいつも
涙で濡れて乾いて穢い。



でも、
そうなったのは、
真ちゃんのせいだから。



だから。




―針千本



今俺の右手の小指を濡らすのは
真ちゃんの涙。

真ちゃんすっごく怖い顔してる
あの時よりもっと。


でも、約束なんだ。




―飲ます



痛くないよ
これが終わればまた元通りになるんだ

また一緒にバスケしよう

今の俺なら、真ちゃんの指が有るから強くなれた気がするんだ。

ゲームが楽しみで仕方無い

アイツに、俺らを見せ付けてやろう


だからね、ほら

約束だから。








飲め








―指切った。





指切り


*****
よく高緑わからないです…。
不安に沈めば狂気に変わってしまうくらいが素敵です高尾くん。



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