お祝い




まぶたが熱い…

窓の隙間から射す朝日がまぶしい。

その光のせいで目が覚めた私、ある違和感に気付いた。


…暖かい

でも、狭くて…


目をゆっくり開けてみると、銀色のものが目についた。

……?………ぁ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!///


え、(◎o◎)
ちょ…ι(◎д◎)ノヾ
ジン…( ̄□ ̄;)!!


私は何が起きたのか整理しようとしている間に、ジンの体が動いた。


「あ、お、起こしちゃった?ι…って違う!なんでジンが一緒に…///」
「あ?俺のベッドで勝手に寝たのはテメェだろ。」
「え!?だ…だって、ジン…ソファーで寝るかなっと思って…。」
「なんで俺がテメェのためにソファーで寝なきゃいけないんだ。」
う…筋が通っているような、ないような…。

「どうでもいいけど、早くどいて!」
「……」

ジンは、少し私を睨み付けてためらうようにベッドから降りた。

ベッドから降りるなり、ジンはコートと帽子を被り
「着替えろ。出かけるぞ。」
と言った。
「どこ行くの?まさか…取引…?」
もう、あんなの見るの嫌だ。
正直そう思った。
しかし組織に入った以上、現実から逃れることはできない。

「商店街に行く。」









商店街。
今日は平日で人は少ないが、これが休日ともなると人の海になる。

「っていうか、私学校なんだけど…。」
「学校には休むと連絡してある。」

ぬぁわにぃ!?
今まで無遅刻無欠席だったのに…

「まぁ、そうしょげるな。」
「う…。でも、悪の犯罪者が何故商店街に?」
「買い物だ。」
組織の人間が買い物?
ウケるんですけど…(^-^;)

私は、ジンの横に並んで歩いた。
ジンは長身で足も長いのに、私と歩くペースが同じだったのに気付いた。

…合わせてくれてるのかな///?

そう考えると、なんだか嬉しくて顔が自然と綻んだ。

「何にやついてるんだ。」
「別にぃ〜♪」

一瞬、不思議そうな顔を見せたジンだったが、ふっと笑ってまた正面を向いた。





しばらく歩いていると、あるジュエリー店があった。

ガラスのケースに入った宝石という宝石がキラキラ輝いている。


その中でも、ひときわ目をひいたのは…銀色の楕円形にダイヤがワンポイントで入っているロケットペンダントだった。


「綺麗…。」
「…欲しいのか?」
「い、いいよι!高いし…私には似合わないし。」
「そうか。」
そう言うとまた私達は商店街の道を歩いていった。

「結局、何も買わなかったね。っていうか、何か買うものがあって商店街行ったんじゃないの?」
「…」
商店街に行った目的を聞いても何も言ってくれないジン。

「早く寝ろ。ガキは寝る時間だぜ。」
「ガキじゃない!」

頬を膨らませてそっぽを向いた私に、ジンは小さい包みを渡した。
「やる。」
私は、その包みをとって開けた。
中から顔を出したのは上品な長細いケース。
さらに、そのケースを開けると銀色の楕円形でダイヤがワンポイントになっているロケットペンダント…

「これ…」
「組織に入った祝いだ。」
「もらっていいの…?」
私にはもったいないよ。
こんな綺麗なもの…

「俺が使うわけにもいかねぇだろ。」
ジンは私の手からペンダントをとり、ウチの首につけてくれた。

近い…

ジンの髪の香りなのか、いい香りが鼻についた。

「…ありがとう///」

薄く笑い、シャワー室に向かうジン。

私は、もう一度ジンを呼び止めた。
「ジン…。これからもよろしくね///」

ジンは何も言わずにシャワー室に入った。

私には、ジンの耳がほんのり赤く染まっていた事に気づくよしもなかった。

つづく



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