エープリルフール
「お腹減ってなぁい。ウォッカ、ご飯作らないで〜」
「さっき食わなかったばっかりだろ!!」
え?
会話がおかしい?
それもそのはず。
だって今日は4月1日。
エープリルフール。
だから今日一日、嘘(反対言葉)しか言わないという遊びをしてるんです。
「じゃ、ジン。なんかして遊ばないでよ〜」
「……その変な喋り方やめたら、いいぞ。」
ジンは、反対言葉ゲームが嫌らしい。
私の顔も見ず、ベレッタの掃除をしている。
「なんで?楽しくないよ?」
「頭が混乱する。」
「……………じゃ、私が反対言葉で言わなかった事を頭の中で正しい言葉にしないで、それに対してジンが普通の言葉で答えないゲームしない。」
「………。」
返事をしないジン。
って事は、OKって事だよね!!
「じゃ…ウォッカの料理、マズい?」
「あぁ。」
「うっ…。(反対言葉でも、心にグサッとくる。)」
「ウォッカに痩せてもらいたくない?」
「あぁ。」
「(という事は兄貴、俺に痩せてもらいたいの!?)」
「ウォッカの仕事の失敗って多い?」
「いいや。」
「(ゴメン、兄貴……。)ってか、なんで俺の事ばっかりなんだよ!!」
私とジンは、ウォッカを見る。
「ふふふ。ウォッカ今、普通の言葉でしゃべらなかったね?」
「…あ。」
「罰ゲーム♪」
ジンと私はニヤリと笑って、ウォッカに詰め寄る。
「あ!!兄貴と麗華、最初から企んでたんすね!!」
「ぐふふ。さぁて、ウォッカはどこが弱いのかな?」
「ウォッカの弱点は、脇だ。」
「や、やめて!!やめ……ぎゃはははは!!」
ウォッカの悲鳴ともとれる笑いが4月の空に響き渡った。
夜。
私は、まだ書類の山と格闘中のジンに駆け寄った。
「まだ寝てなかったのか。」
「うん。……ねぇ、ジン。」
「あ?」
私はジンの耳に口を近づけ、小声で言った。
「ジンの事、大嫌い。」
カチッ。
その直後、時計の針が両方とも12を指した。
「じゃ、おやすみ///」
「…おぅ///」
馬鹿野郎…///
俺は…
愛してるんだよ
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