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ブロロロ……
私達を乗せたヘリは、天高くまで昇った。
もう辺りは暗く、天から見る地上は美しかった。
まるで天の川のように輝く夜景。
すると、その中に赤く光る東京タワーが見えてきた。
「よし。麗華、押せ。」
「イエッサー!!」
私が頼まれたただ一つの仕事。
それは東京タワーの電源を落とす事だ。
ポチッと手元のボタンを押すと、東京タワーの光りが消えた。
さぁ、ショーが始まる…。
ライトを照らしながら上に昇ると、アイリッシュがいた。
ジンがアイリッシュに電話をかける。
『俺だ。』
「どうだ。メモリーカードは手に入れたか?」
『あぁ。』
アイリッシュがポケットからメモリーカードを取り出して見せた。
私の位置からじゃ見えないが、ジンはカメラをアップにしてメモリーカードを確認している。
カメラのおかげでメモリーカードがしっかり見えた。
「よく見えねぇな。もっと前へ突き出せ。」
………え…
言われた通りカードを前へ突き出すアイリッシュ。
「そうだ、もっとだ。」
さらに腕を伸ばす。
…………ダメ…
「 殺れ 」
血の気が引いていくのがわかった。
キャンティの伸ばす銃口から、素早く弾丸が放たれる。
その弾丸は、正確過ぎるほどにアイリッシュの心臓を貫いた。
「ビンゴ☆」
「俺、撃ちたかった。」
この場にあまりにも不釣り合いなテンションのキャンティ。
そして、撃てなかった事に少し不満げなコルン。
「あ、兄貴?」
「下を見てみろ。」
ジンに言われ、私とウォッカが下を見る。
下にはパトカーが何台も止まってた。
「入り口は警察に塞がれている。どの道奴は終わりだ。」
何も言えなかった。
たとえどんな事情があろうとも、組織の事が表に出るのは避けなければいけない。
そのためには、こうするしか他に手段はない。
その点に関しては、私はまだ甘いのかもしれない。
その時、ジンが声をあげた。
「もう一人いる…!!」
見ると、確かにアイリッシュとは別の人物がいる事に気がついた。
「あれを使え。」
「了解!!」
ジンの合図で操縦機のボタンが押される。
すると同時に、物凄い数の弾丸が東京タワーに撃ち込まれた。
隠れていた人物が上へと逃げ出した。
ん?
あれって…
ヘリがさらにその人物を追い詰める。
展望台まで来たところでジンがまた合図した。
「いぶり出せ。」
キャンティが変な手榴弾のようなものを取り出し、放り込むと煙りがあがった。
と、またその人物は煙りから逃げるように上へ昇った。
「上だ。上から狙え。それで死角がなくなる。」
ヘリが上昇する。
しかし、そこでその人物は意外な行動をとった。
「と、飛び降りやしたぜ!!」
「ふん。逃げ切れねぇと観念したか。」
飛び降りる瞬間、私は一瞬その人物がコナン君に見えた。
まさかね…
コナン君らしきその人物が飛び降りると、何かが猛スピードで近づいてきた。
それがヘリの後部に激突し、ヘリ内にサイレンが鳴り響いた。
「何!?」
「せ、制御できやせん!!」
「やむを得ん。引き上げるぞ。」
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