7ページ目

ブロロロ……

私達を乗せたヘリは、天高くまで昇った。

もう辺りは暗く、天から見る地上は美しかった。

まるで天の川のように輝く夜景。

すると、その中に赤く光る東京タワーが見えてきた。









「よし。麗華、押せ。」

「イエッサー!!」

私が頼まれたただ一つの仕事。

それは東京タワーの電源を落とす事だ。

ポチッと手元のボタンを押すと、東京タワーの光りが消えた。

さぁ、ショーが始まる…。


ライトを照らしながら上に昇ると、アイリッシュがいた。

ジンがアイリッシュに電話をかける。

『俺だ。』

「どうだ。メモリーカードは手に入れたか?」

『あぁ。』

アイリッシュがポケットからメモリーカードを取り出して見せた。

私の位置からじゃ見えないが、ジンはカメラをアップにしてメモリーカードを確認している。

カメラのおかげでメモリーカードがしっかり見えた。

「よく見えねぇな。もっと前へ突き出せ。」

………え…

言われた通りカードを前へ突き出すアイリッシュ。

「そうだ、もっとだ。」

さらに腕を伸ばす。

…………ダメ…



「 殺れ 」


血の気が引いていくのがわかった。

キャンティの伸ばす銃口から、素早く弾丸が放たれる。

その弾丸は、正確過ぎるほどにアイリッシュの心臓を貫いた。

「ビンゴ☆」

「俺、撃ちたかった。」

この場にあまりにも不釣り合いなテンションのキャンティ。

そして、撃てなかった事に少し不満げなコルン。

「あ、兄貴?」

「下を見てみろ。」

ジンに言われ、私とウォッカが下を見る。

下にはパトカーが何台も止まってた。

「入り口は警察に塞がれている。どの道奴は終わりだ。」

何も言えなかった。

たとえどんな事情があろうとも、組織の事が表に出るのは避けなければいけない。

そのためには、こうするしか他に手段はない。

その点に関しては、私はまだ甘いのかもしれない。

その時、ジンが声をあげた。

「もう一人いる…!!」

見ると、確かにアイリッシュとは別の人物がいる事に気がついた。

「あれを使え。」

「了解!!」

ジンの合図で操縦機のボタンが押される。

すると同時に、物凄い数の弾丸が東京タワーに撃ち込まれた。

隠れていた人物が上へと逃げ出した。

ん?
あれって…

ヘリがさらにその人物を追い詰める。

展望台まで来たところでジンがまた合図した。

「いぶり出せ。」

キャンティが変な手榴弾のようなものを取り出し、放り込むと煙りがあがった。

と、またその人物は煙りから逃げるように上へ昇った。

「上だ。上から狙え。それで死角がなくなる。」

ヘリが上昇する。

しかし、そこでその人物は意外な行動をとった。

「と、飛び降りやしたぜ!!」

「ふん。逃げ切れねぇと観念したか。」

飛び降りる瞬間、私は一瞬その人物がコナン君に見えた。

まさかね…

コナン君らしきその人物が飛び降りると、何かが猛スピードで近づいてきた。

それがヘリの後部に激突し、ヘリ内にサイレンが鳴り響いた。

「何!?」

「せ、制御できやせん!!」

「やむを得ん。引き上げるぞ。」








よかったらポチッとお願いします








- 47 -


*前 次#