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「何で俺が…」
「いいじゃないすか兄貴。」
「そうだよ。安いのに越した事ないよ。」
アイリッシュを降ろした後、車を走らせていたらウォッカが大声を出して
車を止めろと言われた。
たまたま通のスーパーの値段が目に入ったらしく、その値段がいつも買い物しているスーパーより安かったらしい。
それで今俺は、ウォッカと麗華の買い物に付き合わされている。
「おぉっ!!玉ねぎが一玉29円!!今日は玉ねぎで何か作りましょう。」
「た、玉ねぎ…!!」
玉ねぎという単語を聞いて俺の体は硬直した。
「ジン玉ねぎ嫌いなの?初耳ぃ〜。」
俺は、小さい頃に玉ねぎを見ただけで泣いた事があるんだ!!
「いや、それ目にしみて涙出ただけでしょ…。」
「しかも兄貴。ハンバーグとかにだって玉ねぎ入ってるのに食べてるじゃないすか。」
な、何!?
ハンバーグに玉ねぎが!?
って事は、俺は知らぬ間に玉ねぎを克服してたのか!!
小さな感動を感じていると、ポケットの中の携帯が鳴った。
見ると、アイリッシュからのメールだった。
どうやら会議が終わったらしい。
「行くぞ。」
「ちょっと兄貴、お会計!!」
「俺に払えと?」
「たまには兄貴も失費してくださいよ。兄貴金持ちなのに。」
「………。」
なぜだろう。
ウォッカに家事の事で言われると、逆らえない。
俺は黙って金を出し、車に向かった。
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