お父さんじゃないけど…
薄い雑誌を片手に、私は悩んでいた。
やっぱりジンにはお酒がいいかな?
¨父の日ギフト¨
もうすぐ父の日だ。
そこで、ジンとウォッカにギフトを贈ろうと考えたんだが…
でもお酒はいつも高いやつ飲んでるからねι
私にとって、ジンは父親みたいでもあり、お兄さんでもあり、片想いの人でもある。
お世話になっている日頃の感謝を込めて、何か贈りたい。
たまには変わったものを…
ネクタイ?
いやいや…しないだろう。
財布?
まず、現金じゃなくカードしか持ってないような気がする。
ん〜。
いっそのこと花束は?
…………似合わないι
ぬおぉう!!
何がいいんだぁ!!
そこに運良くベル姐がやって来た。
「あ!!ベル姐、父の日って何あげたらいいかな?」
「父の日?まさか、ジンに?」
「まぁ…うん///」
「ふふふ。父親って感じじゃないけどね。…そうねぇ、やっぱり…」
私の方をジッと見るベル姐。
………え?
「首にリボンをしてジンの横にいれば、それで十分よ♪」
ベル姐は、次の仕事があるからと言って行ってしまった。
く、首にリボン?
ジンが帰って来てから、私はジンの後ろに立った。
あ。
首にリボンはしてないよ。
恥ずかしいじゃんι
「何だ?」
「いいから、いいから!!」
マッサージをする事にしたのだ。
だってジン、なんでも持ってそうだもん。
ジンの肩を叩く。
うわっ!!
相当こってるよ!!
それだけ疲れがたまっているんだろう。
「何だ急に。」
「お父さん、いつもありがとう。」
「お父さん…?」
「今日は父の日でしょ。」
そう言うと、ジンは黙って肩を叩かれた。
数分したころ、ジンがいきなり私の手を掴み引っ張った。
その拍子で、私はジンに後ろから抱きついた形になった。
「ちょ…ジン///」
「サンキューな。」
「どういたしまして///」
つづく
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